火葬などを依頼された遺体およそ200体を不適切に放置していたコロラド州の葬儀場経営者に禁錮20年が言い渡されました。
これは、コロラド州のペンローズで、葬儀場を経営していたジョン・ホールフォード被告と妻のキャリー被告が、2019年から2023年までの間、190体以上の遺体を葬儀場の老朽化した建物内に放置し、実際には行っていない火葬や埋葬の費用として遺族から13万ドル以上を騙し取っていたものです。
夫妻はまた、政府による新型コロナウイルスの救済金90万ドルを旅行やブランド品の購入などに不正流用していて、連邦裁判所では通信詐欺共謀罪、州の裁判所では191件の遺体損壊罪に問われていました。
ホールフォード被告はいずれの罪についても有罪を認めていて、連邦検察官は15年を求刑していました。しかし連邦地裁の判事は先月27日金曜日、求刑を上回る20年の禁錮刑を言い渡しました。判事は、この裁判での焦点は一件の詐欺共謀罪だとしても、犯行の規模と遺族に与えた精神的ダメージを考えるとより長期の刑罰が妥当、としています。
被害者
「母を迷わせてしまっている罪悪感があります。時々、真夜中に彼女が私を呼ぶ声が聞こえて目が覚めるんです。その声が全く安らかではないのでパニックになります。それでどうして私が心の平穏を得られるでしょう?」
ホールフォード被告は、遺体の火葬を依頼した遺族に、遺骨や遺灰と偽ってコンクリート片などを渡していました。また、裁判所の記録によりますと、埋葬の際に違う遺体が埋められたケースが2件あったということです。
191件の遺体損壊罪などについては来月、州の裁判所で量刑の言い渡しが行われる予定です。また、同様の罪に問われている妻のキャリー被告の裁判は9月に予定されています