アメリカ東海岸やメキシコ湾などの港で港湾労働者の大規模ストライキが始まり、海運による物流の業務が停止しています。経済評論家らは、これらの港の業務停止が続けば、1週間でおよそ75億ドル、日本円で1兆円以上の損害が発生すると指摘しています。
1日火曜日から始まったこのストライキ。ボストンやフィラデルフィアなど東海岸の大都市とテキサス州などメキシコ湾岸の港など、合わせて14の港で最大4万5000人の労働者がストを決行しました。これにより、港に運ばれた各国、各地方からの輸入製品・生産物などの貨物コンテナの積み下ろし作業が停止し、この状態が1週間続けば、1週間でおよそ75億ドル、日本円で1兆円以上の損害が発生すると指摘されています。ストライキを取り仕切る団体、ILA・国際港湾労働者協会は、要求として6年間で77パーセントの賃金引き上げと人を使わない自動機械での使用制限を求めていてこれに対し、経営者団体では50パーセントの賃上げを受け入れるとしています。バイデン大統領は声明を発表し、海運会社のここ数年の巨額な利益と、新型コロナのパンデミック中に港湾労働者が犠牲を強いられた事を強調し両者の交渉が早期に解決するよう求めました。輸入製品を扱う物流会社では、すでにこのストライキを見越して多くの商品をストックして流通に支障が無いよう準備していました。
貿易会社副社長
ケビン・リーさん
「企業側と労働者の両者が、全米の物流に関与しているのは自分たちだけではないことを理解してくれることを願っています」
3日木曜日夕方、賃金交渉が暫定合意したと言うことで、ストライキは4日金曜日から停止されます。