大統領選挙の投票日まで20日を切りましたが、民主党カマラ・ハリス副大統領と共和党ドナルド・トランプ前大統領は、共に激戦州を中心に積極的な選挙活動を行っています。最新の世論調査と選挙動向などをABCニュースがまとめました。
お互いに一歩も譲らない戦いを見せる、両候補。14日月曜日に発表された最新の世論調査では、アメリカ全州の一般票で、ハリス候補が50%、トランプ候補が48%となっています。しかし今回の選挙で重要な鍵を握るのは、激戦州での争いで、これらの州では、民主党、共和党ともに支持は拮抗しています。最近は、両陣営ともに中間層への経済政策の訴えを強くしています。インフレ沈静化や金利低下などを背景に、株式市場は今週史上最高値を更新し、市場経済の好調さを保つ政策を継承するハリス陣営に対し、トランプ候補は、現政権のインフレ対策は失敗だとして、自身の考える経済政策こそ、中間層の人々を助けると訴えています。ハリス候補も中間層への経済政策には重きを置いていて、特に黒人の労働者や企業経営者らの支持強化にも力を入れています。
カマラ・ハリス副大統領
「トランプ氏と私が大統領になる場合の大きな違いは、トランプ氏は歴史を後退させようとする人物で、私はそうではないということです」
黒人票の重要さも語ります。
カマラ・ハリス副大統領
「黒人男性の一票は重要で私たちはそれを獲得しなければならない」
ハリス氏はまた、共和党支持の保守派層への働きかけも強めていて、保守系のテレビ局FOXニュースのインタビューに応じるとしています。トランプ候補はハリス候補の求める2度目のテレビ討論を拒否していて、選挙日までに直接対決はなさそうです。ハリス候補は、自身の詳細な医療記録を公開し当選すれば史上最年長の大統領となるトランプ候補に、同様の記録公開を求めています。
カマラ・ハリス副大統領
「なぜトランプ氏陣営がそれを隠すのか不思議です。これは答えるべき質問です。陣営はトランプ氏が弱く不安定な状態だと人に知られることを恐れていのです」
トランプ陣営は、去年11月に専属医師の手紙を公開したとし、ハリス氏こそ認知能力テストをすべきだと反論しています。トランプ候補は、大統領選の投票日に、混乱を生じさせないよう「左翼の過激派」に対して軍隊を使うべきだと話しました。
ドナルド・トランプ前大統領
「問題は内部の人間だ。非常に悪い、精神を病んでいる左翼の過激派連中だ。必要なら州兵や軍隊で対処できるはずで、投票日に混乱を起こすことは許されない」
ハリス氏は、この発言に強く反対しています。
カマラ・ハリス副大統領
「トランプ氏は自分に投票しない、自分の意にそぐわない人たちを、この国の敵とみなして、軍の力で排除しようとしている。非常に深刻な事態だ。トランプ氏を再び大統領にすることは、私たちアメリカ人にとって最大のリスクです」
政治解説者は、投票日までは、両陣営とも激戦州の各地域をこまめに回る「地上戦」により力を入れ、主張や論争が激しく交わされるだろうと指摘しています。