ここニューヨークで道路の混雑緩和のためアメリカ初の渋滞税が導入され賛否両論とびかっていますが、実際、渋滞は緩和されたのでしょうか?
マンハッタン中心部の渋滞が深刻な問題となるなか渋滞税の徴収が6日(月)はじまりました。これはビジネス街を含め多くの観光スポットなどが立ち並ぶマンハッタン60ストリート以南の区域に乗り入れる乗用車に対し1台$9(約1400円)を徴収するものです。オートバイは$4.50、(約700円)トラックやバスは$14.40から$21.60まで、(約2300円〜3400円)夜間などオフピークの割引もあります。渋滞税は、観光客が利用するタクシーやウーバーなどのライドシェアの車にも課金され、利用者は、通常の乗車料金にその一部を上乗せされます。
MTAニューヨーク都市圏交通公社・ジャノ・リーバーCEO
「渋滞税区域の境界には1400台のカメラと110箇所に検知システムが設置されています」
料金は、日本のETCカードに当たるICカードに課金され、カードがない車両には、ナンバープレートの所持者に請求書が送られるシステムになっています。マンハッタン内では、すでにこの渋滞税徴収を逃れようと、ナンバープレートを隠したりする違法行為が見られ罰金刑などが課せられたり、逮捕者まで出ています。道路交通調査会社によるとニューヨーク市は全米で最も車の渋滞が深刻で、シカゴ、ロサンゼルス、ボストンが続きます。通勤で1日500万人近くがニューヨーク市に入る言われ、このシステムで年間10億ドルを徴収できると期待されています。車の渋滞を緩和することで環境汚染を減らすと同時に徴収された税金は老朽化が著しい公共交通機関の改善に使われるということです。反対派は、このシステムでは渋滞は緩和できず車を使って通勤する人の妨害になるだけだと主張しています。
運転手「いい気分はしないね」
記者「9ドルですよね」
運転手「高すぎるよ」
ワシントンDCとサンフランシスコも渋滞税導入を検討しており、アメリカ国外ではロンドン、ミラノ、ストックホルム、シンガポールなどがすでにこのプログラムを導入しています。
この渋滞税は、2007年に最初に提案されたもので実現は難しいとされていました。今回も一旦決まってからもホークル・ニューヨーク州知事が導入直前に計画を無期延期にしたり、お隣のニュージャージー州が訴訟を起こすなど紆余曲折してきました。