新年早々、アメリカで、無差別な相手を狙う、テロまがいの事件が立て続けに発生しました。一つは、南部ニューオーリンズの繁華街でトラック暴走事件。
もう一つは、ラスベガスにあるトランプ氏が所有する高級ホテルの玄関前での車爆発事件です。どちらも元日を祝う大勢の人が犠牲となりました。
1月1日の午前3時ごろ、ルイジアナ州ニューオーリンズ。年越しで賑わう有名なバーボンストリートで、ピックアップトラックが数十人の群衆に突っ込み、その後警察との撃ち合いとなり、容疑者は死亡しました。この事件で14人が死亡、多数の負傷者が出しました。その後の調べで、容疑者が爆弾や銃器などを多数所持し、イスラム過激派組織ISへ参加しようとした事などが明らかになり、テロの可能性がある関連の事件として、FBI・連邦捜査局などが捜査を進めています。FBIは、容疑者が撮影したとされる事件前の映像を公開。容疑者は、去年10月と11月にニューオーリンズを2度訪れ、メタ社製のスマートグラスを使って現場を視察していたとされます。その他、車の中には容疑者が自作したと見られる爆弾もあり、無線スイッチにより起爆する直前の状態だったという事です。
特別捜査官
「車内から起爆送信機が発見され、警察が容疑者を撃たなければ、爆弾は爆発していた可能性もある」
しかし事件の動機に関しては、イスラム過激派組織ISがテロを主導したかどうかなどは不明で容疑者の単独行動である可能性が高いとでの事件とも考えられています。
もう一つの事件は、同じ1日、ネバダ州ラスベガスで起こった車の爆発事件。次期大統領のトランプ氏一族所有の高級ホテルの玄関で、テスラ社製のサイバートラックが爆発して炎上、車内から1人の遺体が発見されたほか、近くにいた少なくとも7人が負傷しました。車内で死亡したのは、現役のアメリカ陸軍の兵士で、駐留先のドイツから休暇で帰国している期間だったという事です。捜査当局の調べによると、この男が残した携帯電話に動機と思われる音声メモが残っていて、それには、社会への怒りや不満など個人的な主張から「社会への警鐘」としてこの行動に至った、と語っているという事です。陸軍でも、この兵士がPTSD・心的外傷後ストレス障害だった可能性が高いとコメントしており、これらの証拠から、捜査当局では、自殺の為の自爆事件とし見て、その後の調べを進めています。
どちらの事件も、政治的、組織的なテロ事件ではなくとは違い、社会全体に対する不満など動機は個人的なものではと見られていますが、新年最初の日に重なった2つの重大事件に、アメリカ社会は大きなショックを受けています。