カリフォルニア州で歴史的にも未曾有の被害となっているロサンゼルス周辺火災。大元の山火事が発生してから、すでに10日以上過ぎていますが、火事は数カ所に広がり、まだ鎮火には至っていません。少なくとも25人が犠牲となり、1万2千軒以上の家屋が焼失したこの大規模火災。避難している住民らへの救援の手も、各方面から差し伸べられています。
今回最も被害を出したとされる、パリセーズ地区。住民らの避難も1週間以上となりますが、焼け野原となった地域はまだ立ち入りが出来ない場所もあります。
ロサンゼルス郡ロバート・ルナ保安官
「もう全て大丈夫だと思ってはいけません。まだ安全な状態ではない」
今回の火災で被害拡大の原因となった強風は、断続的に続いていて、また新たな場所で山火事に発展しています。消防隊は、延焼を防ぐ手段として、山林の木を切り開き境界線を作って、燃え広がりを防いでいます。パリセーズ地区の山火事は、木曜日の時点で鎮火率は以前22パーセント程度で今回の火災の大元とも見られていて、消防当局では、火災の発火地点周辺の調査を開始しました。これまでの調査で、この場所の近くで、1月1日に新年を祝う花火による火災があり一時は消火されましたが、火種が残って数日後に燃え広がった可能性が指摘されています。避難者や家を失った人々らに、救援物資を配る場所も各所に開設されました。生活必需品や非常用の道具などが配られていますが、物資が十分に行き渡っていない地域もあります。また新たな火災発生を防ぐため、広い範囲で電力供給がストップしていて、電気のない中、道路も遮断され自宅待機を強いられています。
カレン・バス・ロサンゼルス市長
「復旧プロセスに自信を持って取り組みます。自治体が主導して復興に臨みます」
バイデン大統領は、今回のロサンゼルス周辺山火事で被害を受けた人々に対し、政府から770ドル、日本円で約12万円の一時金を支給すると発表しました。またFEMA・緊急事態管理庁では申請のあった、およそ6000人の被災者に、すでに510万ドル、およそ8億円が支給されたとしています。消火が進まない中、今回の火災で確認された死者は、25人ですが、この数はまだ増えると言われています。家を失ったこの男性は、一家で緊急避難する中、妹の姿を見失いました。
実家を焼失 ザイール・カルビンさん
「この場所に戻ってきて瓦礫に登ってシャベルでかき分け、そこで妹の遺体が見つかりました。なぜ彼女が逃げなかったのかはわかりません 何もかもが耐えられない」
ロサンゼルス周辺では、火災の起きてない場所でも、停電や、道路の封鎖、そして大気汚染への警戒など、市民は、非常事態の生活を強いられています。日本政府をはじめ、世界各国から支援の手が差し伸べられていますが、この未曾有の大災害の損失は、20兆円近いとも言われています。