今週1月20日月曜日、ドナルド・トランプ大統領の就任式がワシントンDCで行われました。前政権とは180度違う政策を、迅速に遂行すると宣言したトランプ大統領ですが、初日から数多くの大胆な大統領令を発行し大統領権限によって、国を動かし始めています。特に大きな動きになっているのが、メキシコ国境の移民問題です。国防総省は、22 日水曜日、米軍兵士1500人を即時国境に派遣すると発表しました。
トランプ大統領「国境に兵士を派遣し、我が国への侵略の災難を撃退する」
国防総省によると、部隊は陸軍、海兵隊など合同で、軍の警察部隊、戦闘技術兵、諜報活動専門家を中心に24時間体制で国境警備にあたるとされています。部隊には国境沿いの壁の建設を支援する任務もあるとしていますが、軍当局者は、軍関係者は警察業務など法の執行は行わないと強調しています。また強制送還の支援に軍用機を使うことも決められました。ホワイトハウスの新報道官に説明を求めると
ABCニュース記者
「報道官、彼らは国境で何をするのですか、正確に説明してください」
キャロライン・リービット、ホワイトハウス新報道官
「メキシコ国境を警備し不法移民を追放します。侵入者は帰国させられ、逮捕され、起訴されます。国境を越えてはなりません」
バイデン前大統領が去年新たな亡命制限を発表して以来、国境の状況は着実に改善しており、国境警備隊が越境者と遭遇する割合数は 60% 減少しています。そうした中行われる国境警備の強化。難民の入国手続きは現在「追って通知があるまで停止」となり亡命を希望する移民のためのアプリも停止され、亡命を申請中だった数万人が現在、宙に浮いた状態です。トランプ大統領はまた、憲法修正第14条で保護されているアメリカで生まれた子供に自動的に市民権を提供する制度「出生地主義」を廃止する大統領令に署名。これに対し現在22の州と2つの都市が訴訟を起こしていますがシアトルの連邦地裁が23日(木曜日)一時差し止めを言い渡しました。廃止されれば毎年およそ15万人の子供たちが影響を受けるとされています。トランプ大統領は就任して4日間で、200を超える大統領令に署名しました。最も強い大統領の権限を、迅速に立て続けに行使することで、「力の政治」を内外に知らしめる形となりました。