世界中で若者人気が高い動画共有アプリのティックトックが青少年のスマホ依存症や精神的健康への悪影響を助長するとして全米の14州で提訴されています。スマホのアプリとして多く利用されるティックトックは、8日火曜日、「何百万人ものアメリカの子供たちの精神衛生に悪影響をもたらしている」として14の州で訴訟を起こされました。ニューヨーク州、カリフォルニア州など人口の多い州も訴訟に参加しています。
ニューヨーク州レティシア・ジェームズ州司法長官
「私たちは悪影響のあるメディアから子供を守る必要があります。全国的に子供たちが、SNSメディアのせいで、うつ病、不安、自殺願望など、さまざまな精神衛生上の問題に非常に高い確率で苦しんでいます」
訴えでは、ティックトックのアルゴリズムに「中毒性がある」と非難。この中毒性により、子供たちがより長い時間スマホを利用し、それが精神障害につながると主張されています。
ABCニュース 医療解説ダリアン・サットン医師
「アルゴリズムは、ユーザーが探しているものを選んで提示できるため、中毒性が高いと見られます。スクロールする毎に好きな動画が表示され、それを長時間見る事で興味が増し、さらに見る可能性が高くなります」
SNSに上げられる動画に刺激を受け、子供の死亡事故も増えています。ニューヨーク市では去年、走行中の地下鉄の外に出て危険行為をする遊びで15歳の少年が死亡。この少年は、自分の動画をこの遊びをするグループのSNSに上げていた事がわかっています。
死亡した子供の母親「SNSと地下鉄会社。彼らが息子の命を奪った」
専門家は子供が危険性を理解できるガイドラインを設定するよう親に勧めています。
ABCニュース 医療解説ダリアン・サットン医師
「米国小児科学会の一般的な勧告では、2歳未満はSNS動画視聴を禁止。2〜5歳までは大人の監視下で2時間以内の視聴、5歳以上は、大人も含めて2時間以内としています」
ティックトックは親会社が中国系の会社で中国による情報操作を懸念してバイデン政権が今年4月1年以内の売却を求め応じなければアメリカ国内での使用を禁止する法案に署名しています。こちらも裁判が続いておりTikTokのアメリカでの行方が注目されています。