カンザス州の公衆衛生当局は、重い感染症として知られる『結核』の感染で2人が死亡し、60人以上が治療を受けていると公表、感染の広がりを警告しています。
結核は世界有数の感染症で、空気中に含まれる細菌によって人へと感染します。結核は、細菌の特徴として「非活動性」の感染例もあると言います。
ABCニュース主任医療特派員タラ・ナルラ医師
「非活動性感染は、症状がなく、その間は他の人に感染しませんが、後に再活性化する可能性があるということです。10人に1人がそうなる可能性があります」
CDC・疾病医療センターによりますと、結核は、世界で最も死亡率の高い感染症の1つであり、人の肺に大きな影響を及ぼします。人から人への感染が主で、細菌は空気中に何時間もとどまる事ができ、活動性と非活動性の感染に別れています。
医療毒物学者、ステファニー・ウィドマー医学博士
「感染には保菌者と長時間接触する必要があります。地域社会の誰かと短時間接触しただけでは、結核に感染する可能性は低いです。今回の流行の正確な原因はまだ明らかになっていません。」
CDCの報告によりますと、アメリカでの結核感染は1990年代初めから低下傾向で2020年までには20パーセント近く減少しましたが、新型コロナのパンデミック中の2021年と2022年に上昇し始め、2023年にはパンデミック前の水準を超えました。結核菌は、ほとんどの場合、肺に影響を及ぼします。専門家は人々に肺の状態に注意するよう呼びかけています。
ABCニュース主任医療特派員タラ・ナルラ医師
「活動性感染の場合、咳が3週間以上続きます。時には血の混じった咳もあります。発熱、寝汗、体重減少、疲労、衰弱。これらに注意する必要があります」
結核が蔓延している国では、ワクチンが子供によく接種されますが、アメリカではあまり使用されていません。カンザス州保健局は、一般市民への感染リスクは依然として非常に低いと述べており、現在は感染拡大防止のため、感染患者に適切な治療を施すことに重点を置いているとコメントしています。