アメリカの今年最大のイベント、大統領選挙まで、残り1週間を切りました。これまでに全米で6000万人以上がすでに投票しています。そして2人の大統領候補共に、文字通り全米各地を駆け巡り、国民に向け最後の訴えに回っています。
民主党ハリス副大統領と共和党トランプ前大統領はともに激戦州の中の未決定の有権者の票を獲得しようと勢力的に動き回っています。ハリス副大統領は、ホワイトハウスを背におよそ7万5000人の支持者の前で、最後のメッセージを語りました。
カマラ・ハリス副大統領
「アメリカは長い間、分裂、混乱、相互不信に悩まされてきました。そのため足元の単純な真実を忘れてしまった。それは、私たちはこうあるべきでない、という思いです」
トランプ前大統領は、この混乱は現政権の責任だと強く追求。
ドナルド・トランプ前大統領
「私の支持者は、悪党のジョーや嘘つきカマラよりもはるかに上級の人間だ。この2人に対する私の答えは明白だ。アメリカ人を愛していなければ、アメリカを率いることはできない」
最終盤の戦いでは、両候補のキャンペーンや集会の異常な盛り上がりに過激な発言が飛び出し、選挙情勢にも影響を与えています。トランプ陣営が開いた、ニューヨークの応援集会では、コメディアンの支持者が、「プエルトリコは海に浮いたゴミの島」だと罵りこの人種差別発言が大きな批判を呼んでいます。CNNテレビのインタビューで怒りを込めて反論したバイデン大統領は、トランプ支持者全員を「ゴミ」と位置付けたようにもとれる発言をしたとして逆に批判される騒動となりました。
ジョー・バイデン大統領
「浮いているゴミは彼の支持者だ。ラテン系人民に対する侮辱発言は許されない、アメリカ人に相応しくない」
ハリス副大統領も反応。しかし共和党の有権者に配慮して個人への攻撃は避けました。
カマラ・ハリス副大統領
「バイデン大統領は非難したが、私は国民が誰に投票するかという事について批判はしません」
トランプ氏は、この「ゴミ発言」騒動を早速キャンペーンに利用。ゴミ処理車に乗り込み現政権を率いる2人を処理するべきだ、と発言しました。
トランプ氏は、女性の権利問題でも「自分は女性の守護者」だとした差別的発言でも問題視されています。
ドナルド・トランプ前大統領
「私の選挙参謀が、'私が女性の守護者だ'と発言するのは不適切だと言うんだ。女性が私の事を好きでも嫌いでも、私が大統領になれば女性を守る」
最終局面にきて、双方の議論や批判が激しさを増していますが、残り数日で、この訴えが有権者の心に響くのかどうかは、結果を見てみないとわかりません。各メディアの予想でも両候補の選挙情勢は伯仲していて、専門家の中には、実際に選挙の決着がつくのは投票後数日かかる可能性もある、という見方もあります。