全米の小売店では組織的犯罪による万引き・窃盗が増加し深刻な問題になっています。そうした中大手小売チェーンが対策に乗り出しました。
全米、小売最大手ウォルマートでは万引き防止に従業員にボディーカメラの装着を試みています。
NRF全米小売連合デビッド・ジョンストン氏
「小売業界は犯罪の組織化によって増加する店内の万引きや暴力に対抗するための対策を迫られています」
ウォルマートはこれを一部の店舗で行う「試験的な試み」としその効果を分析してから今後の対策を決めていくとしています。ウォルマートでは従業員に対し、客とのやりとりがこじれたり、迷惑行為がある場合は動画を撮るよう指示しています。
ウォルマートだけではなく従業員へのボディーカメラ装着はTJエックスの傘下にあるディスカウントチェーン店TJマックス、ホームグッズ、そしてマーシャルズも取り入れています。
小売店での悪質な万引きの増加は深刻で複数で一度に大量の商品を盗んでいく窃盗グループも増えています。専門家は「万引き」は軽犯罪とみなされ罪が軽すぎることが原因の一つだとしています。
NRF全米小売連合・デビッド・ジョンストン氏
「小売店では警備員の増員や警察の見回りなど様々な対策を試みてきました」
多くの小売店では、化粧品、歯磨き粉、トイレットペーパーなど転売が効くため盗難の多い商品の棚に鍵をかけています。パンデミック前に比べて去年1年に全米の小売店が受けた万引きや窃盗の被害は93%増加。被害額は1210億ドルにのぼっています。