今週、ロサンゼルス近郊で発生した大規模山火事は、長期に続いた乾燥と強風により、燃え広がりを続けています。ロサンゼルス近くでは、この他にも数カ所で山火事が発生、これまでにおよそ18万人の住民に避難が呼びかけられ、カリフォルニア州では、史上最悪の自然火災だとしています。
ロサンゼルス中心部から15キロほど西の山林で、7日火曜日に発生した山火事は、太平洋側からの最大瞬間風速45メートルの暴風によって猛烈な勢いで燃え広がり高級住宅の立ち並ぶ地域を焼き尽くしました。
ABCニュース記者
「私たちがこの丘に上がってから、ほんの短い間にこの場所は炎に包まれました。炎の光がある向こう側に海があるのですが、煙で何も見えません」
またロサンゼルス北東部でも別の山火事が発生し40平方キロメートル以上に燃え広がるなど、合わせて18万人近い住民に避難の指示や警告が出されました。消防当局によりますと、9日までに、火災の範囲は、合わせて100平方キロメートル以上、1,000軒以上の建物や家屋が全焼、5人が死亡したと報告されていますが、この数字は今後増える恐れがあります。住民らは、急速に燃え広がる火に取り囲まれ、車での避難も困難となり、途中で車を乗り捨て、「着の身着のまま」での避難を余儀なくされています。
住民
「他の車が道を塞いでいて、私も全ての荷物は車と一緒に置いてきたわ」
住民
「大切な家族の命だけは守れた」
火を勢いづける強風は、火を勢いづける強風は、10日(金)夕方まで続く予報で火災の規模に対して、消防隊員らの数も足りておらず、消火活動は進んでいません。鎮火率はまだ数パーセントと言われています。また、電力会社は火災の拡大を防ぐため一部で予防的に電力を止めていて、一時およそ150万戸が停電となりました。数カ所で発生している山火事は、ロサンゼルス中心部を囲むように燃え続けていて、全米有数の高級住宅街ビバリーヒルズや映画の都ハリウッドなどにも危険が迫っています。全焼した地域では、略奪行為が心配されていて 避難した住民らの要請でセキュリティー会社の警備員が火災のあった地域を確認するなどしています。
警備員
「こんな場所は見た事ない。まるで戦場のような有様だ」
ロサンゼルス周辺では、火災の煙による大気汚染の懸念から多くの学校や公共施設が休みとなり、市内で行われるイベントやスポーツの大会なども見合わせられるなど、ロサンゼルス中心部の経済活動にも大きな影響が出ています。
メディアでは、今回の火災は、カリフォルニア州で過去最大の自然災害となる事が予想され、焼失した建物などの資産価値を考えると、天文学的な被害額になると、伝えています。