トランプ政権の閣僚となるイーロン・マスク氏が率いる 宇宙開発企業「スペースX」。その大型宇宙船「スターシップ」が、 無人飛行実験中に空中分解し爆発したことを受け、FAA・連邦航空局は、スペースXに打上げテストを一時停止し、事故原因の究明を命じました。
16日木曜日、テキサス州で行われた「スターシップ」打上げ実験で、離陸後に行われた、切り離し後すぐに、上段の宇宙船部分がカリブ海上空で爆発、空中分解しました。
この映像は、カリブ海周辺で撮影されたもので、地上からも目視できる上空に、 花火のように炎に包まれた破片が落下していきます。
航空管制局・音声
「宇宙船の事故発生、破片対応システムが発動しました」
飛行中の旅客機のパイロットが、横切る破片を発見、管制塔に報告し、飛行コースの変更を余儀なくされました。
パイロット・音声
「60マイル(約96km)ほど先の上空に何色もの炎の筋が流れています。当機に向かって来るように見えるので注意します」
「スターシップ」の打上げテストは7回目で、今回は切り離し後に下段部分のロケットが、地上からの遠隔操作で帰還し自動で発射台に収容されるという、高い精度の技術を成功させました。
声「オーマイゴッド!」
しかし宇宙船はその 数分後にスペースXとの通信が途絶え、爆発、破片が飛び散ったとみられています。
エリック・イングラム / 宇宙産業専門家
「FAA は一般市民の安全確保に非常に慎重です。旅客機の迂回措置も取られましたが、これは破片落下による市民への危険を回避するための念の為の対策です。」
スペースXは現在、宇宙船の破片や残骸の発見情報を求めています。 FAAは、スペースXがこの調査を完了するまで、 スターシップ打上げの許可を停止する措置をとっています。
トランプ大統領は、 就任式の演説でも「宇宙開発」「火星移住化計画」を強く推し進める考えを示していますが、イーロン・マスク氏が率いるスペースXの「スターシップ」プロジェクトは、その中心的な役割を担っています。今後、この足踏みがどういう影響を及ぼすか注目されます。