先週、ワシントンDCのホワイトハウス付近で州兵2人が銃撃された事件をきっかけに、トランプ大統領が移民に対する態度をますます硬化させています。
先月26日、ホワイトハウス近くをパトロール中だったウェストバージニア州の州兵2人がアフガニスタン人の男に待ち伏せされ、銃撃された事件では、20歳のサラ・ベックストロームさんが死亡しました。アンドリュー・ウルフさんの容態は依然深刻だということです。
他の州兵にも発砲しようとしていたところを拘束されたラーマヌラ・ラカンワル容疑者は、2021年、アメリカ軍のアフガニスタン撤退の際にバイデン政権がおこなったアフガニスタン人向けのプログラムでアメリカに入国していました。亡命を申請し、トランプ政権下の今年4月に正式に認定されたということです。
事件が起きた日のビデオ演説で、「アメリカに属さず、利益をもたらさない外国人を国外退去させるためのあらゆる措置を講じる」と語っていたトランプ大統領はその翌日、自身のSNSに移民に関する異例の長さのコメントを投稿。
「第三世界のすべての国からの移民受け入れを永久に停止」するとともに、バイデン政権下で認められた数百万件の入国許可を無効にし、「アメリカにとって『純資産』にならない人物を追放する」との意向を示しました。
AP通信記者
「大統領の移民への感情がエスカレートしているのがわかります。多くのアメリカ人が不法入国者の国外追放を求めて投票したにもかかわらず、大統領は今や合法的な滞在資格を持つ人々も国外追放しなければならないと言っています。どのように合法的に行うかは不明ですが、投稿から判断するにそう決意しているようです 」
また、ルビオ国務長官は先月28日、自身のSNSで「トランプ大統領率いる国務省は、アフガニスタンのパスポートで渡航するすべての個人へのビザ発給を一時停止した」と発表。アメリカ移民局は、すべての外国人の亡命申請に関する決定を全面的に停止するとしています。
記者:「どのぐらい亡命申請を停止する予定ですか? 」
トランプ:「長くなるだろうね 彼らはいらないんだ。問題が山ほどあるのに 」
記者:「1年ですか?2年? 」
トランプ:「決まっていないが長期間だ。彼らはいらないんだ わかるか?」
記者:「わかります。 」
トランプ:「わかるのか?」
記者:「わかります 」
1日の記者会見でホワイトハウスのレビット報道官は、ラカンワル容疑者がアメリカに入国したプログラムなど、バイデン政権の対アフガニスタン政策を「歴史的な失策」と酷評し、トランプ大統領による大規模な移民の国外追放をやり遂げることはこれまで以上に重要だと語りました。
キャロライン・レビット報道官
「私たちは、ジョー・バイデンのひどいリーダーシップがもたらした致命的な結果に今も苦しんでいます。約10万人のアフガニスタン人が、ほとんど、あるいは全く審査を受けずに、軽率にもアメリカに放たれました。これがアメリカのコミュニティーと文化にもたらすであろう混乱と暴力への配慮は全くありませんでした。/アメリカは、何百万もの不法移民が我が国の法律を破って入国したにもかかわらず、免責されるのを許すことはできません。彼らは母国に 帰らなければなりません。 」
一方、第一級殺人や殺意を伴う暴行など4つの罪に問われているラカンワル容疑者の犯行動機などはわかっておらず、捜査が続けられています。拘束時に自身も銃弾を受けて入院中のラカンワル容疑者は、2日に行われた罪状認否にオンラインで出廷し、すべての罪状で無罪を主張しました。