アメリカ軍の偵察用無人機にロシアの戦闘機が衝突した問題で、ロシアが衝突を否定する一方、アメリカ国防総省は戦闘機が無人機に接近する様子を捉えた映像を公開しました。
14日火曜日、数百億ドルするアメリカ軍の偵察用無人機が、黒海上空を飛行中にロシア軍の戦闘機に衝突され、墜落しました。16日木曜日、アメリカ国防総省は無人機の映像を公開しました。ロシアの戦闘機が接近し、燃料を浴びせる様子が捉えられています。次に戦闘機がさらに接近すると、映像は60秒間途切れ、曲がったプロペラが映しだされました。衝突前、ロシアの戦闘機2機が30分間にわたり19回、無人機に接近し、燃料を浴びせるなどの妨害行為を行い、その後、無人機後部のプロペラに衝突しました。
これについて、15日水曜日、オースティン国防長官は、ロシア国防相と電話で会談したことを明らかにしました。オースティン国防長官は会見で「国際法により許可された場所の飛行は続けます。安全にマナーを守って戦闘機を飛ばすのはロシアの義務です。」と語りました。アメリカ空軍当局は、ロシアのパイロットが故意に無人機に衝突したとは考えていないとし、単に無能で愚かだと述べています。マーク・ミリー統合参謀本部議長は会見で「飛行の妨害や攻撃的な態度は故意ですが、衝突に関しては分かりません。」と語りました。ロシアは、無人機への衝突を否定しています。
無人機は海の上で墜落しており、回収は難しいとみられています。マーク・ミリー統合参謀本部議長は「無人機はおそらく砕けており、機密情報の損失も含め復旧はできないでしょう。通常の手順で対処しており、貴重な情報は残っていません。」と語りました。無人機は衝突後でもリモート操作で機密情報を消去することができ、ロシア側に墜落した機体が回収されたとしても操作不能にできるということです。