去年5月、ニューヨークの地下鉄車内で黒人男性の首を腕で締め上げ、殺害した元海兵隊員の裁判が始まりました。裁判は、被告の行動が正当防衛なのか、殺人罪にあたる過剰な行為なのかが争点となります。
1日金曜日から裁判が始まりました。事件は、元海兵隊員のダニエル・ペニー被告が、地下鉄車内でジョーダン・ニーリーさんと争いになり、ペニー被告が、首を羽交締めにし、ニーリーさんはその後死亡しました。当時この事件の携帯ビデオ映像がネットに上がり、最後は意識がなくなったニーリーさんの首を、51秒も締め上げていた事が判明。ペニー被告の行為は、過剰防衛だとして告発されました。この日、証人として出廷した警察官は、自分のボディーカメラ映像を証拠として提出、法廷内で映像が検証されました。
ペニー被告「男は乗客皆を脅しながらていてこの車両に乗ってきた」
警官「相手は何か持っていたか?それとも何も持っていなかったか?」
ペニー被告「それはわからない。私はただ人から離しただけだ」
この時、ニーリーさんのポケットにはお菓子のマフィンしか入っていませんでした。映像に映るペニー被告の態度はニーリーさんの人権に対して無関心である証拠だと検察側は主張。一方弁護側は、ニーリーさんは精神的に異常な状態だったため、被告は周りの人を助けるため行動したと主張しています。ニーリーさんは、地下鉄でモノマネをするパーフォーマーで、精神疾患をもっていたということです。告発した遺族らはニーリーさんに罪は無かったと裁判所の外で声をあげました。
ニーリーさんの兄弟「ジョーダンを愛してる 彼のために正しい判決を望む」
裁判は数週間続くと予想されていて、有罪判決を受けた場合、ペニー被告は最高懲役20年の可能性があるという事です。