今年11月に行われるニューヨーク市長選にセクハラ問題で辞任したクオモ前知事が立候補を表明しました。汚職事件に揺らぐ現職市長に対抗馬10人以上が乱立する中、大物候補参入に一触即発の事態となっています。
1日(土)以前からニューヨークの市長選への出馬が囁かれていたアンドリュー・クオモ前ニューヨーク州知事が正式に立候補を表明しました。
通常は現職が圧倒的に有利な市長選ですがエリック・アダムズ市長の汚職事件などから候補者が乱立している今年の市長選。すでに10人以上が立候補を表明する中、これまでは主だった候補者はおらずクオモ前知事が正式に立候補したことで一気に最有力候補として浮上し、事態は大きく動きました。
しかしクオモ前知事も無傷ではなく知事時代に10人以上の女性がセクハラ被害を訴えニューヨーク州司法長官が捜査を開始したことで2021年、辞任に追い込まれた経緯があります。その後、クオモ氏へのセクハラ容疑は全て証拠不十分で棄却されました。
クオモ氏は2011年から10年間3期にわたりニューヨーク州知事を務め最低賃金の引き上げ、同性婚の合法化、そして新型コロナウイルスの蔓延ではロックダウン状態となったニューヨーク州でリーダーシップを発揮し状況を細かく説明する毎日の会見が高く評価されました。一方で強引な政治手法で多くの敵を作ったとも言われています。
現職の民主党エリック・アダムズ氏は去年、汚職事件で起訴されさらにはトランプ政権に起訴取り下げを働きかけ見返りとして移民対策に協力する約束をした疑いが浮上し支持率を大幅に下げています。アダムズ市長は全ての罪状に対し無罪を主張しています。
6月24日の予備選を経て11月4日に投票日を迎える市長選。アメリカ最大の都市の行方に全米の注目が集まっています。
5日(水)にはニューヨーク市議会議長のエイドリアン・アダムズ氏が出馬を表明し民主党だけで10人の候補者が乱立しています。エイドリアン・アダムズ氏は知名度はありませんが市議会での好感度は高く汚れのない新しい風として票を集める可能性もあるとされています。