トランプ大統領は選挙前に自身への起訴などにかかわった法律事務所に対して大統領令を使って圧力をかけています。選挙前にトランプ大統領が訴えられていた複数の裁判で、訴えた側の弁護、または疑惑の捜査などにかかわった法律事務所への報復措置が行われています。
トランプ大統領は複数の法律事務所に対する大統領令に署名し、連邦政府省庁とそれに関連するすべての機関に対して対象となる法律務所との契約を全て打ち切るよう命じています。また、所属する弁護士について政府の機密文書を扱う資格を取り消すと同時に連邦政府管轄の建物への立ち入りを禁止するなどしています。これによって弁護士が裁判所のビルに入れなくなるという事態は致命的な上、政府の標的にされることを嫌がる顧客が離れる可能性があります。
これに対し、
対象となった法律事務所の対応は別れています。
対抗措置に出た法律事務所は2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントン陣営の代理人を務めたパーキンス・クーイ。そしてトランプ氏とロシア政府との関係などの捜査を担当したロバート・モラー元特別検察官が一時所属していていたウィルマーヘイル。同じチームで「ロシア疑惑」の捜査を行ったアンドリュー・ワイスマン氏がいた
ジェナー&ブロックです。それぞれが、大統領令は違憲だとして連邦地裁に訴えを起こし3社とも認められ、大統領令に一時差し止め命令が出されています。
一方、トランプ大統領に降伏同調する法律事務所も出ています。2023年にトランプ氏を名誉毀損と性的暴行で訴えたジャーナリストを弁護し500万ドルを勝ち取った
大手法律事務所スキャデン・アープスは先月28日(金)、大統領令を発動しない代わりにトランプ大統領が承認する案件に1億ドル相当の(約150億円)プロボノ、無料奉仕による法的支援提供などを約束しました。
ドナルド・トランプ大統領
「これは事実上の和解だ
和解に応じた他の法律事務所と同様に
交渉の席についたスキャデンに感謝する」
これに先立ち先月20日には 大手法律事務所ポール・ワイスが 同じ条件で4千万ドル相当の(約60億円)法的支援を約束しています。
ドナルド・トランプ大統領
「信じられないだろうが、あの最悪だった法律事務所も
『どこに署名しますか?』『どこにサインすればいいですか』と降伏する
これからもっとやるぞ」
トランプ氏は2期目に入るまでの間、裁判に発展する多くの訴訟を起こされ
それを民主党を支持する法曹界からの攻撃で、魔女狩りだと非難していました。
トランプ大統領は今後もこうした動きを止めることはないとしていて弁護士が移民やLGBTQ、人工妊娠中絶などトランプ氏の意向に反する弁護を差し控えたりする可能性も心配されています。