世界各地に出現し無断で路上の壁などに絵を描いて 街の話題をさらってきたイギリスの覆面アーティスト バンクシーの作品が売りに出されます。
社会を風刺するストリートアートをゲリラ的に世に送り出してきたバンクシー。
これはニューヨーク、ブルックリンにある 倉庫の壁に描かれたもの。バンクシーの定番、赤いハート型の風船にいくつもの絆創膏が貼ってあります。
ハリケーン・サンディーがニューヨークに 甚大な被害をもたらしたのは2012年。 この倉庫を所有していたジョージアディスさんのビジネスも 大きな被害を受け、必死に立て直しを行なっていた2013年、 この作品が出現しました。
ジョージアディスさんは当時、 バンクシーのことは全く知らず、 ただこの絵を見て、作者は自分たちが 被災して心に受けた痛みを感じているんだと 感動していたということです。
しかし、この作品、完成してすぐに赤いスプレーペイントで風船が塗られ、何者かの名前、オマールNYCなどと落書きがされてしまいます。 そしてそのすぐ後にまたステンシル文字で 「嫉妬深い女の子」などとメッセージが書かれましたが これは落書きを見た バンクシー本人が書いたものなのではないかとの説もあります。
ガーンジーズ・オークション・ハウス
アーラン・エッティンガーさん
「落書きはすべて作品の歴史の一部であり
そのままにすべきだとなったのです」
バンクシーの作品は最高落札額2000万ドル以上を記録しており今回のオークションも注目されています。
ただ、これは高さが2メートル近くあり重さも3.6トン。この巨大作品を維持できる人に限られ、値段は未知数だと専門家は語ります。ジョージアディスさんは4年前に心臓発作で他界し娘と息子が壁を売りにだしました。 収益の一部をアメリカ心臓協会に
寄付するということです。
作品はオークションにかけられる5月21日まで、ニューヨークマンハッタンにあるブルック・フィールド・プレイスで展示されています。