パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスに拘束されている人質開放を求めるデモで男が集まった人たちに火炎瓶のようなものを投げつけ15人がけがをしました。警察はこの事件をテロとみて捜査を行なっています。
1日(日曜日)午後1時半ごろコロラド州ボルダーで男が人に火をつけていると警察に通報がありました。事件現場では,イスラム組織、ハマスによる人質の解放を求めて平和的なデモを行なっていたおよそ20人が集まっていました。
そこにエジプト国籍のモハメド・ソリマン容疑者(45歳)が火をつけた自家製の火炎瓶のようなものを、投げつけました。このときソリマン容疑者は「パレスチナを解放せよに自由を」などと叫んだということです。
目撃者
「(犯人は)火炎瓶を3つ持っていて
1つを集まっていた人たちむけて投げ
女性の全身に火が燃えひろがりました」
これによりデモに参加していた25歳から88歳の15人が火傷などのけがをし病院に運ばれました。
警察によるとソリマン容疑者は逮捕後、ユダヤ人を全員殺害したいと語りユダヤ人への攻撃を1年にわたり計画していたということです。
コロラド州連邦地方裁判所
J. ビショップ・グレウェル検察官代理
「使用前の火炎瓶が容疑者の近くあと16本ありました」
FBI連邦捜査局はこの事件を「テロ」とみなしています。検察は2日(月曜日)ソリマン容疑者を16件の殺人未遂、およびヘイトクライムの容疑などで訴追しました。
3日(火曜日)、国務省は容疑者の家族、妻と4歳から17歳の子供5人、についてビザを剥奪した上で拘束し国外退去の手続きを行なっていると発表しました。
国土安全保障省
クリスティ・ノーム長官
「モハメドの卑劣な行動は最大限の法律で起訴します
同時に家族がどこまで知っていたかを捜査しています」
しかし家族の国外退去 手続きについては4日(木曜日)に 連邦判事が停止命令を出しました。
国土安全保障省によるとソリマン容疑者は2022年に観光ビザで入国し、ビザの期限が切れた後に亡命申請していました。
デモを行っていた団体はイスラエルで発生したハマスの攻撃で人質となった人たちに寄り添うことを目的に、週に一度集まり1キロの道のりを歩いて行進していました。
アメリカではイスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの猛烈な攻撃を受けてユダヤ人を標的にする偏見に基づく暴力行為が増えています。先月21日にはワシントンD.C.でイスラエル大使館員2人が、ユダヤ系博物館の前で31歳の男に銃撃され死亡しました。男は駆けつけた警察官に拘束されたとき「パレスチナを解放せよ」と何度も叫んでいたということです。殺害された2人の大使館員は近く婚約する予定だったということです。