関税政策をはじめとしてトランプ政権の方針が世界に大きな混乱を招く中、国外からのアメリカへの旅行客が大きく減少しています。
アメリカ商務省の国際貿易局によりますと、今年2月のアメリカへの外国人旅行客は、前の年の同じ月に比べて2.4パーセント減少。3月には11.6パーセント減少しています。
イギリスの調査会社、オックスフォード・エコノミクスは先週発表した調査結果で、今年のアメリカへの外国人旅行客は去年と比べて8.7パーセント減少するだろうと 予測しました。これにより、今年のアメリカ国内での外国人旅行客の消費額は85億ドル、前年比で4.7%の減少となる可能性があるということです。特に近隣の国でのアメリカ離れが著しく、去年はアメリカに旅行する人が最も多かったカナダでは20.2パーセント、メキシコは7.6パーセント減少すると見られています。
ツアー会社オーナー マット・レビーさん
「2024年は ニューヨーク市を訪れるカナダ人学生団体のツアーによる収益は 総額3万5000ドルでした。今年は5000ドルです」
この背景として、アメリカドルの上昇やビザ取得にかかる時間などのほか、トランプ政権の厳しい移民政策や、関税政策への不快感が影響しているとみられています。専門家は、このような政策によるアメリカへの感情や認識の変化が、今後もアメリカの旅行産業にとって重荷になるだろうと指摘しています。
旅行産業はアメリカのGDP・国内総生産の9パーセントを占め、2000万人の雇用を生み出していると言われ、外国人旅行者の減少が経済に与える影響が懸念されています。