国土安全保障省は、国内情勢が不安定な中南米4カ国からの移民を対象に一時的な在留資格を与えていた制度について、3月25日での終了を発表しました。対象となる移民とその家族 53万人に対して1カ月以内に国外退去するよう求めています。
国土安全保障省は21日(金曜日)、キューバ、ハイチ、ニカラグア、ベネズエラの頭文字をとったCHNV中南米4カ国からの移民を対象に一時的な在留資格を与えていた臨時入国 許可プログラム を3月25日をもって終了すると発表しました。国土安全保障省のクリスティー・ノーム長官は、1カ月後の4月24日には合法的な滞在資格を失うとして、それまでに自主的に国外退去するよう警告しています。対象となる移民とその家族は約53万2000人に上るとしています。
CHNVはバイデン前政権が、政治や経済の混乱により貧困や暴力に苦しむ中南米4カ国からの移民に対して毎月 最大3万人、2年間、就労資格付きでアメリカに滞在することを許可したものです。国境を越える不法入国者を厳しく取り締まる一方で、合法的にアメリカに滞在できるよう導入された人道的制度として知られています。
トランプ大統領は選挙期間中、アメリカに不法滞在している数百万人の移民を国外追放する公約を掲げ、大統領就任後は、移民が合法的に滞在するための制度を次々と廃止しています。関連する亡命、ビザ、および滞在期間の延長を可能にする申請手続きも停止しています。この制度を通じて合法的に入国した移民も、在留資格失効後は強制送還の対象になるとしています。
対象となっていた移民の出身国ハイチではギャングによる暴力や国民の飢餓が深刻になっており、またキューバでも慢性的に経済が停滞しており、国内に住むキューバ人の70%は国外に住む家族からの仕送りで生活しているとされています。