ミシシッピ州からケンタッキー州にかけての広い範囲で先週末、およそ6日間にもおよぶ大荒れの天候が続きました。竜巻による被害と大雨による洪水に見舞われ8日(火)までに7つの州で少なくとも25人の死亡が報告されています。週明けに雨がやんでからも水がひかず被災した人たちの不安な日々が続いています。
非常事態宣言が発令されていたケンタッキー州では 先週からの竜巻や記録的な暴風雨による大洪水で9歳の男の子を含む少なくとも5人の死亡が報告されています。大雨は州の西側を中心に2日(水曜日)から6日(日曜日)までの5日間、断続的に降り続き洪水被害が広がりました。州都フランクフォートを流れるケンタッキー川は5日(土曜日)未明、氾濫し一気に周辺地域に水が流れ込み浸水しました。
フランクフォート住民
「土曜日の午前1時くらいに確認したときは水はなかったが
1時半に見に行ったら2フィート(約60センチ)上がっていたのです
たった30分で2フィート、水があがってしまい
物を動かすには手遅れでした」
ケンタッキー川の水位は最大48フィート以上、およそ15メートル上昇したということです。ケンタッキー州を流れる他2つの川も氾濫し広い範囲で洪水被害が発生しました。数日にわたり降り続けた記録的な大雨で 水はけが悪くなり雨がやんだ後も水がひかず住民は家に戻れずにいました。
フランクフォート住民
「精神的に追い詰められたよ
いまもそうだ
家がどうなったのか
近寄れないんだ」
ボートで家に戻る住民もいました。ペットがいるため避難場所が住みにくいことといわゆる「火事場泥棒」の被害を心配しているということです。アンディー・ベシア州知事によると7日(月曜日)までに500以上の道路が、浸水や流れ込んだ土石で 通れなくなっています。
一方、テネシー州ではセルマー郡で大規模な竜巻が発生し多くの家屋が全壊した直後に大雨による洪水で町が水没しました。すくなくとも10人の死亡が確認され、被害が膨れ上がっています。メンフィスでは水没した道路で車が立ち往生する姿も見られました。
200人の住民が暮らす小さな町、リーブスでは 消防署の指示でほとんどの住民が避難しましたが中には自宅を離れるのを拒んだ住民もいました。連絡が取れない父親を探しに息子が訪れていましたが家には近寄れない状態でした。
リーブスの住民の息子
「連絡が取れないのですが避難したかもしれません」
「水が玄関の入り口まで来ていますが家には入っていないようです」
雨が止んで2日後の8日(火曜日)になってもケンタッキー州、テネシー州、インディアナ州では複数の川の水位が高く氾濫の危険性がありさらに水が上がる可能性があるとしています。当局は周辺住民に対し大量の水を含んで地盤が緩んでおり完全に水が引いて周囲が全体的に乾くまで注意を怠らないよう呼びかけています。