「反ユダヤ主義」的な活動への 取り締まりを強化するトランプ政権は、イスラエルによるガザ攻撃への抗議デモに参加した留学生を国外追放にするとして、学生ビザの取り消しを進めるなど、締め付けを強めています。親イスラエル派のある団体は、AIによる顔認証システムを駆使して抗議デモ参加者の身元を突き止め、政権に情報を送り、 留学生らを国外追放にするよう働きかけています。
先月25日(火曜日)、マサチューセッツ州ボストン郊外でタフツ大学の博士課程学生が説明もなく移民当局の職員に突然拘束されました。トルコ出身の学生は 2018年に学生ビザで アメリカに入国し心理学を専攻していたということです。
友人らによりますと、この学生は親パレスチナデモには深く関わっていなかったということですが、学生新聞にで、大学に対しイスラエル関連の企業との関係を断つよう求める 論評記事を、共同で執筆したことがあったといいます。タフツ大学は、連邦当局によりこの学生のビザが取り消されたと発表しました。
また、正式なビザを持ちブラウン大学に務めていたレバノン出身の医師は、
イスラム教シーア派組織ヒズボラの指導者を 支持していたとして、ボストンの空港に到着してすぐ、国外追放されました。
ルビオ国務長官は先月27日(木曜日)、トランプ政権は抗議デモに参加した、少なくとも300人を超える留学生のビザを取り消したことを明らかにしました。
マルコ・ルビオ国務長官
「ビザが切れたり、取り消しになったら
この国から出ていかなければならない 」
去年、全国の大学に広がったイスラエルによるガザ攻撃への抗議デモ。
親イスラエルの団体は、大学にいるイスラエル支持者に抗議デモに参加した留学生の身元をICE:移民関税執行局に報告するよう促しています。
このITベンチャーの男性はAI技術を使って、マスクで覆われ顔でも個人の顔を識別できる顔認証システムを開発しました。
顔認証システムを開発した男性
「自分の行動が正しく違法行為ではないと思うなら
なぜ顔を隠しているのですか? 」
親イスラエル団体はこのソフトウエアを使って抗議デモの現場で撮影した画像から、
参加者の身元を特定し、トランプ政権にリストを提供。留学生らを国外追放するよう求めています。
ADC アラブ・アメリカ反差別委員会の幹部は「政権は情報源を確認せずに監視をアウトソーシングしている」として反発しています。
抗議デモに参加した留学生を国外退去にする動きについて、デモに参加することで
合法的に滞在できるステータスを失うのではないかと留学生の間で不安が高まっています。
抗議デモに参加した留学生
「とても怖いです
怖いと感じなければいけない
この状況に怒りを感じています 」
ある親イスラエル団体の広報担当者は、ルビオ国務長官を含む移民当局に提出した
デモ参加者リストのトップにあったのは永住権を持っていたにもかかわらず逮捕されたコロンビア大学のマフムード・ハリル氏だったそうです。