トランプ次期大統領が、バイデン大統領の招きでホワイトハウスを訪れ、政権移行を始める挨拶をかわしました。すでに新政権の閣僚や主要スタッフなどが続々と指名されています。
13日水曜日、バイデン大統領とトランプ次期大統領がホワイトハウスの大統領執務室で、政権移行の際行われる会談を行いました。
バイデン「ようこそ、次期大統領のトランプ前大統領。おめでとうございます」
トランプ「ありがとうございます」
バイデン「スムーズな政権移行を期待しています トランプ氏や新たなスタッフが満足し必要なものが確実に得られるよう尽くします」
4年前は、当時のトランプ大統領が政権移行の会談を拒否し2人で話す機会がありませんでしたが、今回は2時間ほど非公開で会談を行いました。
ドナルド・トランプ次期大統領「ありがとうございます。政治は厳しいものであまり良い世界ではありませんが、今日は政治的に良い日です とても感謝しています」
ホワイトハウスは声明で、2人の会談は丁重でトランプ氏は執務に関わる詳細な質問をバイデン大統領に聞いたとしています。
大統領そして上院の過半数が、共和党となった今回の選挙では、この日、下院の過半数も獲得したことが伝えられ、来年からの新政権の運営に追い風となります。
そんな中トランプ氏陣営は、新閣僚選びを急ピッチで行っています。新たな司法長官には、フロリダ州選出の下院議員マット・ゲイツ氏を指名。ゲイツ氏は即日、議員を辞任しました。
ゲイツ氏は、司法関係の職務の経験はなく、下院議員の在職中、下院倫理委員会による
「性的不品行」および「違法薬物使用」疑惑の調査を受けていましたが、議員を辞めたことで、この調査は中止されます。その他、国務長官には、かつては対立関係にあった、フロリダ州上院議員マルコ・ルビオ氏、国土安全保障省長官にサウスダコタ州知事のクリスティ・ノーム氏を指名。ノーム氏は銃規制緩和の強力な支持者です。
そして国防長官には、フォックスニュースの番組司会者のピート・ヘグセス氏を指名、ヘグセス氏は、イラクとアフガニスタンで従軍していますが、ワシントンで働いたことはありません。
また注目のイーロン・マスク氏と、同じく起業家のビベック・ラマスワミ氏が、新設される「政府効率化省」を率いると発表されています。この機関では、政府の支出を見直し、削減を検討するための政策を担うといわれています。14日木曜日、選挙キャンペーンでトランプ氏を支持したロバート・F・ケネディ・ジュニア氏が厚生長官に指名されると、主要メディアが報じました。ケネディ氏は、新型コロナのワクチン接種に反対する立場をとっていてFDA・食品医薬品局の職員などを大量に解雇すると公言していました。新たな閣僚人事は、トランプ派といわれる人材が共和党の外からも次々と指名され話題を呼んでいますが、それぞれその職務の経験がない事など多くの懸念点も指摘されています。