来年1月からの第二次トランプ政権を支える新閣僚らの指名が相次いでいますが、指名された人物に、さまざまな疑惑が伝えられています。そんな中、最も重要な閣僚ポストの一つ、司法長官を指名された、マット・ゲイツ元下院議員が、指名を辞退すると自身のSNSで伝えました。
熱烈なトランプ支持者で、議員時代はトランプ氏の意向に沿って議会に圧力をかけてきた、マット・ゲイツ元下院議員は、先週トランプ氏から、重要閣僚である司法長官を指名されていました。ゲイツ氏は過去に未成年者への性的行為や違法薬物使用の疑惑があり下院倫理委員会が調査中でしたが、司法長官への指名を受けるとその日に議員を辞職、委員会の追及を逃れる形となりました。しかしその後、メディアなどが、被害にあった女性の弁護士などへインタビューするなど追及を強め、同じ共和党議員からも司法長官への就任を疑問視する声が出ていました。そのゲイツ氏は、21日木曜日、突如自身のSNSで指名辞退を発表。理由について、「承認をめぐって不当な形でトランプ政権移行が妨げられている」と説明しています。
国防長官に指名された元FOXニュースの司会者ピート・ヘグセス氏にも女性関係の疑惑が高まっています。ヘグセス氏の弁護士は、2017年にヘグセス氏の性的暴行を告発した女性に和解金を支払ったことを認めました。弁護士は、和解金の支払いは、「告発されればテレビ局から解雇される」と考えたからだと説明、暴行行為を否定しています。
厚生長官候補のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、トランプ氏の飛行機の中でマクドナルドを手にしているところを撮影され批判を浴びています。ワクチン否定論者のケネディ氏は、食品衛生にも厳しい思想を持っていて、ファストフードなど加工食品は口にしない事でも知られていました。いとこで、元駐日アメリカ大使のキャロライン・ケネディ氏が彼について発言しました。
ジョン・F・ケネディ大統領の娘、キャロライン・ケネディ元駐日アメリカ大使
「彼のワクチンに関する見解は危険だと思います 多くのアメリカ人が彼と同じ考えとは思っていません」
トランプ氏は19日火曜日に、テレビトークショーの司会者で「ドクター・オズ」で知られる医師メフメト・オズ氏を、公的医療保険を管轄するCMS、メディケア・メディケイド・センターの長官に起用すると発表。ケネディ氏と合わせて医療、保険業界の
「不正と無駄」を排除すると説明しました。
さまざまな議論を巻き起こす人事に批判の声も出る中トランプ氏の上級顧問はABCニュースに対しトランプ氏が指名する閣僚に反対票を投じる議員は造反議員とみなし次の選挙で共和党から対抗馬を出す。その資金はイーロン・マスク氏が出すとしています。
一方、ニューヨーク地裁で有罪評決を受けた、トランプ氏の不倫口止め金の刑事裁判では、11月26日に予定されていた量刑の言い渡しが延期されました。マンハッタン地区検察局が、裁判所へ提出した書類によると、裁判は、次期大統領の2期目の任期が終わるまで、一時停止する可能性があるとしています。
トランプ新政権にとって最重要ポストの司法長官の指名辞退は、スムーズな政権移行に大きな痛手となる事は免れません。トランプ氏は声明で、ゲイツ氏の辞退について「非常に素晴らしい人材だが、政権移行の妨げにならない為の辞退と事で
彼の決定を尊重する」と述べています。