テキサス州の教育委員会が公立学校で聖書を教材に使うことを認める決定を下しました。ここ最近、共和党支持者の多い州ではキリスト教の教えを教室に持ち込む動きが出ており政教分離原則が危ぶまれているという声も出てきています。
22日(金)テキサス州教育委員会で公立学校の授業にキリスト教の聖書を教材として使うことを合法とするべきかどうか、評決を行い賛成多数で使用を許可しました。
「反対7名、賛成8名よって合法とします」
州政府が作成したブルーボネット・ラーニングと呼ばれる新しい教育カリキュラムが可決されたことで公立学校で幼稚園から小学5年生のおよそ230万人の生徒を対象に来年秋から国語の授業などに聖書を取り入れた教材が使われることが可能になります。賛成派はアメリカを理解するには聖書を教育を取り入れることが必要だといいます。
テキサス州政府広報担当メリー・キャッスル氏
「聖書の内容を知らなければアメリカの文学、歴史、芸術を理解できません。ブルーボネットはそれを子供たちに教えるのです」
一方、反対派は憲法が定めた政教分離原則と宗教の自由に反するといいます。
宗教の自由を働きかける人権団体アマンダ・タイラー氏
「宗教教育は家庭内の判断であるからこそ宗教の自由は守られるのです」
これは義務化ではなくそれぞれの学校の判断で行われるということですが取り入れれば毎年生徒1人あたり$60の補助金が出るということで公平性に欠けるという意見も出ています。ここ数年、南部の共和党保守派が強い州では教育の中にキリスト教の教えを取り入れようとする動きがあり、ルイジアナ州では知事が(ジェフ・ランドリー)来年1月から公立学校の全ての教室に旧約聖書に記された「モーゼの十戒」の掲示を義務化する法案に署名したことで12日(火曜日)裁判官が施行差し止めの判断を下し法廷闘争となっています。今年6月にはオクラホマ州で公立学校の教育に聖書と十戒を取り入れることを義務付けました。そしてフロリダ州では学校の生徒たちのカウンセラーとしてボランティアの司祭を起用しても良いということで共にその是非を巡り裁判がつづいています。
ルイジアナ州フレッド・ジェフ・スミス牧師
「イエスキリストが私の救世主と信じているがここにいるすべての人の信仰ではない」「社会科の授業を受けるといい 思想を押し付けるのではなく真のアメリカについて学ぶべきです」
保守的な思想が勢いを増すアメリカ、いずれも法廷に持ち込まれており最高裁まで行く可能性もあります。決着には時間がかかりそうですが保守派の判事が多数派となり保守に傾斜する最高裁での判断が注目されます。