今週、トランプ新政権を支える閣僚指名者が上院公聴会に出席、議員からの厳しい質問を受けました。
この場で承認を得られなければ、閣僚に任命されない場合もある公聴会。厳しい質疑がトランプ政権の新閣僚候補者に向けられました。14日火曜日は、国防長官に指名された、元ニュースキャスターのピート・ヘグセス氏が出席。米軍の従軍経験はありますが、最前線での勤務はなく、個人的な飲酒問題や女性スキャンダルが伝えられていて、全ての民主党議員と一部の共和党議員が任命に反対の立場です。また、女性兵士の戦闘参加に否定的な立場を取っていて、国防長官としての資質を問う厳しい質問が続きました。
ピート・ヘグセス氏
「現状で指揮官は十分に女性兵士や女性司令官の割り当て数を満たしていると認識しています」
カーステン・ギリブランド上院議員(ニューヨーク州・民主党)
「指揮官はそんな割り当て数など決めていません。そんなルールはどこにも存在しません」
ヘグセス氏は、個人スキャンダル疑惑などの追求も否定し、厳しい公聴会を終えました。公聴会後、ヘグセス氏の就任に反対の立場だった共和党の女性議員が賛成にまわるなど、承認の可能性は高いと伝えられています。15日水曜日は、国務長官に指名を受けているルビオ上院議員が出席、トランプ氏の対抗馬として大統領選に出馬した経験もありますが、現在は、トランプ氏を支持し『アメリカ・ファースト』の外交に取り組む考えを表明しました。
マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州共和党)
「近代国家が誕生して以来、世界各国は自国の国益を中心と考えることを優先して行動してきました。これは普通のことで、わが国が同様に国と国民の利益を最優先することは例外ではありません。これほど重要で必要なことはかつてありません」
ルビオ氏の人選に関しては、民主党議員の一部も賛同しており、承認は確実視されています。スキャンダルで指名を辞退したゲーツ前下院議員に代わり、トランプ氏に司法長官に指名された、元フロリダ州司法長官パム・ボンディ氏も同じ日に公聴会に出席。現在の司法省を非難し、改革の意欲を示しました。
パム・ボンディ・元フロリダ州司法長官
「私の最大の目標は、司法省を元の使命に戻す事 米国民の安全を守り、犯罪者を積極的に訴追するという、司法の中心的な仕事に専念します」
パム・ボンディ氏は、2021年の議会襲撃事件で訴追されたトランプ支持者らの恩赦に関し「各案件を個別に検討し、助言する」と証言、トランプ氏が大量恩赦すると宣言している事とは、一定の距離を置く発言となりました。
大方の見方では、トランプ氏が指名した候補者は、ほぼ全員が承認される見通しで、来週20日月曜日からスタートするトランプ新体制に取っては、盤石な形で政権を受け継ぐ事になりそうです。