DOGE政府効率化省率いて政府職員の大幅削減を積極的に進める中、イーロン・マスク氏の関連企業が痛みを感じています。
10日(月曜日)、イーロン・マスク氏がCEOを務める電気自動車大手「テスラ」の株価がニューヨーク市場で15%以上急落しました。トランプ大統領が当選を決めた去年11月からテスラ株は高騰していましたが、今年に入ってから販売台数の低迷を受け、45%下落しています。テスラの国内最大の市場だったカリフォルニア州で、販売が急激に落ち込んでいます。世界的にみても販売が低迷しており、テスラは世界全体でも年間販売台数が初めて減少。ドイツとフランスでの販売不振が顕著だということです。
11日(火曜日)、トランプ大統領は、"偉大なアメリカ人であるイーロン・マスク氏への信頼と支持の証し"として、テスラの新車を購入すると発表。その日のうちにホワイトハウスで購入した新車を披露しました。
ドナルド・トランプ大統領
「この車を買う理由の第一は最高の製品であること
そして第二に(マスク氏が)
人生を捧げて作っている物だからです
それなのに一部の人たちから不当な扱いを受けています 」
自動車業界のアナリストは、テスラの最近の株価と自動車販売の落ち込みは、マスク氏がトランプ大統領や各国の極右政党を支持しているためだと指摘しています。マスク氏は、2024年に行われた大統領選でトランプ氏への支持を表明しキャンペーンにおよそ2億7000万ドル(400億円)をつぎ込みました。その後、トランプ政権で政府支出の削減策を推し進めるDOGE:政府効率化省の顔として、職員の大量解雇と支出の大幅削減を大胆に行ってきました。
一方、政治への介入を強めるマスク氏に対して反発が強まっており、関連企業をターゲットに、破壊行為や不買運動が起きています。 テスラの販売店周辺では抗議活動が行われ、車や充電ステーションが放火される事件も起きています。コロラド州のテスラ販売店では、車両への火炎瓶の投げ込みや建物に「ナチス車」といった文字のらくがきがありました。
10日(月曜日)には、SNS交流サイト「X」でシステム障害が起き、世界各地でアプリが利用できなくなる不具合が発生。マスク氏は大規模なサイバー攻撃だと主張しています。先週、6日(木曜日)に行われた宇宙開発企業「スペースX」が開発する宇宙船は試験飛行中に空中で分解。機体の破片が落下する様子が観測されました。テレビ番組のインタビューで、マスク氏は、経営と公職の両立の難しさを吐露しています。
イーロン・マスク氏
「とても苦労している」
トランプ大統領が購入したテスラのモデルsはおよそ$8万ドル(1190万円)だということです。トランプ大統領自身は、何年も運転をしていないので「スタッフが使うことになる」と話しています。しかしホワイトハウスで商品の宣伝とも見られる前代未聞の行為に批判する声も聴かれています。
そうした中、マスク氏率いるドージュの次のターゲットは教育省で、まずは政府職員の人数を半分に減らすと発表し手を緩める気配を見せていません。