サウスカロライナ州で2001年に犯した殺人罪で死刑が確定していた67歳の死刑囚に対し銃による死刑が執行されました。アメリカで銃による死刑執行は15年ぶりです。
7日(金)サウスカロライナの刑務所で服役していたブラッド・シグモン死刑囚の死刑が銃殺により執行されました。
サウスカロライナ刑務所広報担当
クリスティ・シェイン氏
本日、サウスカロライナ最高裁の命令に基づいてブラッド・シグモンの死刑を執行しました。6時5分に3人の執行人が死刑を執行。医師により午後6時8分、死亡を確認しました 。15年ぶりに銃で行われた死刑執行は、3人の死刑執行人が壁を挟んで15フィート離れた場所でライフル銃をかまえ頭から布を被せられ、椅子にベルトで固定されたシグモン死刑囚の心臓に向けて発砲。医師が死亡を確認するまで数分で終了したということです。
サウスカロライナでは死刑囚は自分の死刑執行法を、銃撃、薬物注射、電気椅子の3つから選ぶことができるということです。サウスカロライナでは最近3人の死刑が執行され3人とも薬物注射を選びました。そのとき医師が死亡を確認するまで20分以上かかったという話を聞きシグモン死刑囚は銃殺刑を選んだといいます。
ジェフリー・コリンズ記者
「薬物注射だと肺に液体がたまり苦しむ可能性を恐れたのです
弁護士によると電気椅子は生きたまま焼かれるようだとして
銃殺を選んだそうです」
シグモン死刑囚は元交際相手の両親をバットで殴り殺した罪で2002年に死刑を言い渡されました。アメリカでは27の州がで死刑制度があります。うち銃殺刑を認めているのはサウスカロライナを含めて5つの州だけです。
ほとんどの州では薬物注射を主な死刑執行方法としていますが薬物注射は死亡確認まで20分以上かかりその間、拷問のような苦しみを感じているという調査結果も出ています。また点滴の針がうまく入らないなどの失敗もあり人道的ではないという意見も多くあります。そうした中、銃殺刑は死亡確認までの時間が一番短く失敗も少ないことから銃殺刑を見直す州が出始めています。
アイダホ州では去年、連続殺人犯の死刑執行中、薬物注射の投入に8回失敗し、執行を断念しました。州議会は今月5日,死刑執行は銃殺を最優先にするとした州法改正法案を可決しています。