移民管理当局はイスラエル・ガザ紛争を巡り、ニューヨークのコロンビア大学で停戦などを求める学生運動を主導した元大学院生を逮捕しました。トランプ政権は、反ユダヤ主義者への取り締まりを強めており、イスラエルに対する抗議デモ参加する外国人はテロリストを擁護したとして国外追放の対象になるとしています。
イスラエルによるガザ地区への攻撃に対して、停戦などを求め、コロンビア大学構内で抗議活動を主導していたコロンビア大学の元大学院生 マフムード・カリル氏は8日(土曜日)、ICE 移民税関捜査局に逮捕されました。現在はルイジアナ州の移民収容センターに拘留されています。カリル氏は妻がアメリカ人で妊娠8ヶ月。配偶者として永住権を所持しているにもかかわらず強制送還の可能性があるということです。
マルコ・ルビオ国務長官は9日(日)、「国内にいるハマス支持者はビザやグリーンカードを取り消し、国外追放ができるようにする」と表明。続いてトランプ大統領は10日(月)、カリル氏は「これから続く多くの逮捕者の最初の一人だ」としています。カリル氏の逮捕は、トランプ政権がイスラエル批判を抑圧し、言論の自由を奪っているとして公民権団体などが強く反発しています。
カリル氏の代理人は、「学生の活動と政治発言の弾圧」となる今回の拘束は不当だとして連邦裁判所に訴えを起こしました。これを受けて、ニューヨーク市の連邦判事は、
審議中はカリル氏を国外追放しないよう命じました。
マンハッタンでは今回の逮捕に抗議するデモが行われています。
政府の政策に反対できないのが民主主義ですか?
NO!
トランプ政権による権利への攻撃を許してもいいのですか?
NO!
司法省、教育省、保健福祉省は7日、共同で声明を発表し、コロンビア大学へのおよそ4億ドル(590億円)の政府助成金や契約を取り消すと発表。助成金の取り消しは、反ユダヤ主義への取り締まりを十分に行なっていないためだとしています。トランプ政権は、反ユダヤ主義を十分に行わない場合はどの大学も助成金取り消しの対象になると警告しています。
ニューヨークの人権団体は、大学への助成金取り消しはイスラエル批判やパレスチナ人への支持といったトランプ氏の岩盤支持層の思想に反する学生の主張を大学に検閲をさせる違法なやり方だとして批判しています。