東海岸の数州で先週から、謎のドローン目撃情報が数多く寄せられ、FBI、連邦捜査局などが捜査に乗り出しています。トランプ次期大統領まで、この件に関するコメントを発表するなど大きな問題に発展しています。
撮影者声
「今、私たちの頭上を飛んで行った」
東部ニュージャージー州で、先月中旬以降、軍事施設や空港などの近くで不審なドローンを目撃したとする情報が相次ぎました。FBI、連邦捜査局と国土安全保障省は、ドローン探知システムと赤外線カメラをニューヨーク州とニュージャージー州に配備。FBIには、およそ5000件の「謎のドローン」目撃情報が寄せられ、その範囲は北東部の7州に広がっています。オハイオ州の空軍基地では、基地内にドローンが侵入したため、先週13日に一時空域を閉鎖。ニューヨーク市郊外の空港でもドローン情報により1時間以上滑走路を閉鎖する事態になりました。
航空管制官
「空港周辺に複数のドローンが飛行中」
ボストンでは、ドローンをローガン国際空港の危険区域に飛ばしたとして2人の男性が逮捕・起訴されました。この事態に、トランプ次期大統領は捜査当局を批判するコメントを出しました。
トランプ次期大統領
「政府の捜査当局はドローンがどこから来てどこへ行ったかを知っているが何らかの理由で隠している。奇妙なことだ。ドローンは、ニュージャージー州の私のゴルフ場近くの上空にいたと言っている。週末そこに行く予定だったがキャンセルした」
FAA、連邦航空局に登録済みのドローンは全米で約80万機あり、昼夜を問わず飛ばすことは違法ではありません。バイデン政権は、国家安全保障上の脅威や外国の関与の証拠はないと主張し、一部の報告は一般の航空機だと述べています。
アレハンドロ・マヨルカス国土安全保障長官
「ドローンの目撃情報の中には実際にドローンの他にドローンと間違われることが多い有人航空機もある」
ABCニュースの記者が、ニュージャージー州の地元警察のパトロールを取材しました。
クリントンタウンシップ警察署フランチェスカ・エスクダー巡査
「日が沈むとドローンが出てきます」
取材中、貯水池の上空に浮かぶライトが目視されましたが、物体を特定できませんでした。
クリントンタウンシップ警察署フランチェスカ・エスクダー巡査
「住民は皆、苛立ちを感じていて明確な説明を求めています」
FBIでは5000件を超える情報の中で、捜査の対象となったのは100件以下だと説明していますが、このドローン大量発生の原因などについては具体的に答えていません。政府側の曖昧な返答に対して、共和党の下院議員などが批判の声を上げるなど事態は大きくなってきており、収拾の目処はたっていません。