トランプ新政権の閣僚らの人事が続々と指名される中、アメリカ連邦捜査局、FBIの現役長官が自ら辞任を表明しました。トランプ氏が抱える刑事裁判などへの影響も大きくFBIへの信頼も揺るぎかねない事態と言われています。
11日水曜日、クリストファー・レイFBI長官は、FBI本部で、バイデン大統領の任期終了と同時に辞任する、と発表しました。FBI長官としての任期終了予定は2027年ですが、レイ長官は2年以上の任期を残し、途中で退くことになります。
クリストファー・レイ・FBI長官
「この発表は私にとって簡単ではありません。私はここが大好きで我々の使命とこのスタッフを愛しています。しかし私が注視するべきは、常にFBIにとって正しい事であります」
レイ長官は、トランプ前政権の2017年にトランプ氏自身によって任命され、トランプ氏は「法の厳しい守護者」であり「誠実さの模範」になるとレイ氏を称賛しました。しかし、2021年1月の議会襲撃事件や、機密文書の取り扱い疑惑について、FBIがトランプ氏を調査し始めたため、トランプ氏はレイ長官を敵対視していました。トランプ氏は、レイ長官の辞任の意向を聞き「レイ長官の辞任はアメリカにとって素晴らしい日だ」とSNSに投稿しました。次期長官にはトランプ氏がすでに指名していた、現在のFBIに批判的な考えを持つカッシュ・パテル氏がつくと見られています。
ABCニュース記者
「クリストファー・レイ氏が辞任発表しましたが?」
カッシュ・パテル氏
「スムーズな移行を期待しています。初日から準備万端です」
ABCニュース記者
「トランプ氏の政敵に対する報復をしますか?」
熱烈なトランプ派のパテル氏は、FBI長官には不適合だと警告する議員もいます。
マーク・ワーナー上院議員(民主党・バージニア州)
「FBI長官の任期10年というルールには理由がある 大統領の気まぐれに左右されないためだ FBIの独立性に非常に憂慮している」
トランプ次期政権の閣僚人事では、国防長官に指名されている元ニュースキャスターのヘグセス氏についても、複数の疑惑が問題視され上院議員らの反対を受けて承認が難航する見通しです。