アメリカの医療費は世界的に見てもとても高いと言われていますが処方箋薬の値段も
例外ではありません。そうした中製薬業界が値段を釣り上げていると、FTC連邦取引員会が報告書を発表しました。
14日(火曜日)発表されたFTC連邦取引員会の報告書によるとPBMと呼ばれる薬局給付管理会社が、がんやHIVなどの治療に使用される薬の価格を釣り上げ莫大な利益を上げているとしています。PBMは製薬業界との間で薬の価格を交渉する中間業者の役割を担う会社でアメリカだけに存在する組織です。
マリアナ・ソカル医師・ジョンズホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院
「彼らのクライアントは主に保険会社や保険商品です」
報告書ではPBMの中でも特に悪質なのはCVSヘルス傘下のケアマークR-X、シグナ傘下のエクスプレス・スクリプツ。ユナイテッド・ヘルスケア傘下のオプタムR-Xで2017年から2022の間に薬の値段を釣り上げることで73億ドルの利益をあげていたとしています。薬によっては1000%釣り上げられているものもあります。患者の権利団体は保険会社ですら薬の元の値段を把握しておらず業界内の透明性を高める必要があるとしています。
マリアナ・ソカル医師・ジョンズホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院
「患者は中間業者がいてもなんの恩恵もありません保険に入っていても薬が高額で買えない人がいるのはこのためです」
PBMの団体はFTCの報告について根拠のない言いがかりだとしています。専門家からはPBMが価格の交渉によって利益を得るべきではないとする意見も出ています。
マリアナ・ソカル医師・ジョンズホプキンス・ブルームバーグ公衆衛生大学院
「アメリカのPBMは交渉する薬の価格が高ければ高いほど利益が上がり安ければ利益は少なくなります。この仕組みの問題は価格を釣り上げることが交渉の目的になってしまうことです」