今年3月に初めて鳥インフルエンザに感染した牛から人への感染が確認されその後、人への感染が広がっています。農務省は全米の農場に対し全ての牛からしぼった生乳の検査を行うよう異例の命令を出しました。
アメリカ農務省は全米の乳牛を飼育する大規模農場を対象に16日(月)から加工されていない状態の生乳サンプルを取り農務省の検査を受けることを義務付けました。
ミシガン州立大学モハメッド・サッティ教授
「これは安全確保を目的としています。乳牛の健康状態を定期的に確認するのです」
この異例とも言える政府の対応は感染拡大を食い止め感染源を特定することが目的です。今年3月に初めて、鳥インフルエンザに感染した乳牛から人への感染が報告され、その後も農場で家畜を扱う人を中心に感染が広がっています。
現段階では全米でおよそ60人の鳥インフルエンザ感染患者が確認されています。そのほとんどが農場で働く人で感染した乳牛や鶏を扱っていました。
感染した乳牛も12日(木)の段階で16の州で850頭近くが確認され今も、増え続けています。いまのところ人から人への感染は報告されていませんがウイルスの変異が懸念されています。また、加熱殺菌されていない生乳を飲む消費者への感染が心配されています。カリフォルニア州の農場では生乳商品のサンプルから鳥インフルエンザのウイルスが検出され農場を閉鎖し出荷した商品をリコールしています。
生乳会社CEOマーク・マカフィー氏
「大変な状況ですが私たちは適用力も回復力もあります 必ずより強く、より良い状態で復帰します」
政府当局によると普通のスーパーなどで売っている牛乳は加工される工程で加熱殺菌されウイルスは死滅するので心配はないということです。しかし加熱殺菌されていない生乳については飲まないよう注意を呼びかけています。