年末に向けて、利用者も多くなる空の旅、今、その安全への懸念が高まっています。
ニューヨークタイムズは、空港の管制官らの人員不足や職場環境の悪さなどにより空港の運営に支障をきたしていると報じ、物議を醸しています。
ニューヨーク・タイムズ紙は、航空管制官が勤務中に眠っていたりアルコールや薬物を使用していた事例があり、さらにFAA・連邦航空局のホットラインには2年間で数百件の苦情が寄せられたと報じました。
記事では、ある管制官は、夏の期間中ずっと、酒に酔った状態で勤務につき「楽に金儲けるのにぴったりだ」とジョークを言ったと書かれています。
一方、FAAは、ABCに対して、「ニューヨーク・タイムズ紙の報道は、全米空域システムの高い安全基準を伝えていない。国内での飛行はかつてないほど安全だ」と返答しています。
しかし、全米の空港では、今年に入ってから航空機同士のニアミス事故が多発しています。
フェデックス機パイロット「サウスウエストは離陸中止しろ!フェデックスが着陸体勢だ」今年2月テキサス州オースティンでのニアミス事故では、着陸機と離陸機が、およそ30メートルまで接近する事態となりました。
また今年6月には、ボストン・ローガン空港で滑走路に駐機していた旅客機の尾翼に別の旅客機が衝突しました。
先月の政府の報告書では、航空管制官の時間外労働の多さが、欠勤、生産性の低下、疲労を引き起こしているとしています。
また、乗客や航空機の数が増えているにもかかわらず、航空管制官の数は10年前より約1000人減少していることも、これらの問題の要因だと見られています。
航空管制官の労働組合も、記事の内容に批判的なコメントをしていますが、人員不足や労働環境の問題は、空港の運営にリスクをもたらしていると認めています。