去年11月、アイダホ大学の学生4人が刃物で刺されて死亡した事件で、容疑者が逮捕されました。
事件が起きたのは去年11月、アイダホ大学キャンパス近くのアパートです。そのアパートに住む女性3人とその1人と交際していた男性1人が室内で刃物で刺されて死亡していました。被害者は20歳~21歳の学生で、犯人が無理やり侵入した形跡はなく、事件当時アパートには、他に2人のルームメイトがいましたが、2人はけがもなく無事でした。
事件発生から7週間近くたった先月30日金曜日未明、ブライアン・コーバーガー28歳が 殺人などの容疑で逮捕されました。アイダホ州モスコー警察は会見で「この殺人事件は地域を震撼(しんかん)させました。逮捕しても被害者は戻りませんが、裁きは下されるでしょう。」と語りました。
5日木曜日、コーバーガー容疑者はアイダホ州の裁判所に出廷。これを受けて開示された文書で事件の詳細が明らかになりました。事件は午前4時から4時25分に起きたと見られています。無事だったルームメイトの1人は、被害者の1人が「誰かいる」というのを 聞いたと言います。その後、被害者の泣き声が聞こえ、男の声で「大丈夫だ、助けてやる」と言ったのが聞こえたということです。黒い服を着てマスクを着けた男が見えて、ルームメイトは、部屋に鍵をかけて閉じこもりました。
コーバーガー容疑者の携帯電話のデータによると事件前に12回、現場付近を訪れていたということです。コーバーガー容疑者の車と同じ、ヒュンダイ製の白い乗用車が現場近くの防犯カメラに映っていました。また、現場に残されたナイフのさやからコーバーガー容疑者のDNAが検出されたということです。ABCニュースによると、現場に残されたDNAと民間DNA家系図データベースを照合し、犯人の血縁者から犯人を特定するという捜査方法から、コーバーガー容疑者が捜査線上に浮上したということです。
コーバーガー容疑者は、ワシントン州立大学で犯罪学の 博士号の取得を目指しており、ありました殺人現場まで州をまたいで車で15分ほどの場所に住んでいます。大学では補助教員をつとめており、生徒の1人は事件後に変化があったといい「少し髪が乱れ、無精ひげがありました。特に変だったわけではありませんが、期末試験の準備が大変だったんだと思いました。」と語りました。
事件の訳1カ月後、先月15日、コーバーガー容疑者は休暇を実家で過ごすため、父親と共にワシントン州からペンシルベニア州に車で向かっていました。その途中、インディアナ州で、あおり運転の注意で2度、警察に止められています。 コーバーガー容疑者はペンシルベニア州の実家にいるところを逮捕され、アイダホ州に移送されました。
コーバーガー容疑者の弁護団は「アイダホ州で法的手続きが進めば、無罪が認められると信じています。」と語りました。容疑者と被害者の関係は不明で動機も明らかになっていません。容疑者は、無罪を主張しています。