全米では変異ウイルス「オミクロン株」の感染拡大が続いており、1日の新規感染者数がパンデミック始まって以来最多となりました。
各地で年末年始のイベントに多くの人が集まる姿が見られた中、感染者数の急速な増加が続いています。3日月曜日、全米の1日の新規感染者数は100万人を超えました。感染による入院患者数は12万6000人以上になっています。
子供の入院患者数も増加していて、17歳以下の1日の新規入院患者数は766人で前の週からおよそ100%増加しています。ルイジアナ州の小児病院では、集中治療室で治療を受けている患者のほとんどがワクチン接種対象に入らない幼い子供たちです。テキサス州のある小児病院では、患者の3分の1が5歳以下の子供です。小児病院の医師は「小児感染症の専門医は長期的な後遺症や数週間後に別のな症状がでた事例もみています。」と語りました。
多くの学校が冬休み明けの授業をオンラインに切り替える中、3日月曜日、通学を再開した学校では生徒が登校する姿が見られました。保護者からは不安の声も聴かれます。保護者の1人は「検査ができない状況で子供を通学させられません。」と語りました。イリノイ州シカゴでは教職員組合が対面式授業を拒み、オンライン授業への移行を求めたところ、これを公立学校側は認めず、5日水曜日、授業を完全に停止しました。
各地の検査会場には長蛇の列ができており、自宅で使用できる検査キットも入手困難な状況です。ある大手臨床検査会社では検査の需要が多く、結果が出るまでに通常より2~3日多く時間がかかるといいます。検査を受けた人は「検査機器の数が限られているのでPCR検査の結果が出るまで1週間待ちです。」と語りました。
そうした中、今週、保健当局はファイザー製ワクチンについて12歳から15歳への追加接種を承認し、6日木曜日から接種が始まりました。また、ファイザー製ワクチンを接種した12歳以上の人に対し、追加接種までの期間を2回目接種後6カ月から5カ月に短縮するとしました。
一方、先月27日、CDC疾病対策センターは感染者の隔離期間について新たなガイドラインを発表し、無症状の場合、または症状が回復している場合は、従来の10日間から5日間に短縮するとしました。また、隔離後5日間は、周囲に人がいる場合はマスクを着用するべきだとしています。この段階では、隔離終了前の検査は推奨はされていませんでいた。国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「隔離5日後に検査をするべきかが検討中です。CDCはガイドラインに検査を含めなかったことで、批判されていることを認識しています。」と語りました。
専門家から検査を推奨すべきとの批判の声が上がったことを受け、CDCは4日火曜日、ガイドラインの内容を改めました。それによると、5日間の隔離終了時に可能なら抗原検査(ラピッドテスト)を受け、陽性ならさらに5日間の隔離、陰性なら隔離を終了し、5日のマスク着用を推奨するとしています。
12月初旬にアメリカで初めてオミクロン株が確認されて約1カ月ですが、CDCは全米の新規感染者数の95%がすでにオミクロンだと推定しており、専門家はその感染力の強さに警鐘を鳴らしています。室内でマスクを着用することはもちろん、感染予防効果の高いKN95や不織布マスクと布マスクを2重にするなど対策の強化を呼びかけています。