6日水曜日、暴徒化したトランプ大統領の支持者が議事堂を占拠するという前代未聞の事態の中、バイデン次期大統領の当選が正式に確定しました。
6日午後2時半ごろ、トランプ大統領の支持者が議事堂に集まり、一部がドアや 窓のガラスを割るなどして侵入、議会での審議が中断される事態となりました。議会では、上下両院の合同会議が開かれ、各州の選挙人による投票結果を承認し、大統領選の結果を正式に確定する審議の最中でした。議会内では、議員らは体をかがめ、 警備員が入り口で銃を構えるなど、緊張が高まりました。これを受けて、議員らは護衛付きで 緊急避難場所へと移動。暴徒化したトランプ支持者らは、議事堂内を占拠し、支持者の1人がペロシ下院議長のオフィスで、机に脚をのせる様子も捉えられています。
暴動の直前、トランプ大統領は、ホワイトハウス前で支持者集会を開き、支持者に対し「議事堂へ向かってくれ。国を弱体化させてはいけない。強さを見せるときだ 。」と議事堂に向かうよう呼びかけていました。
支持者の暴徒化を受けて、トランプ大統領はツイッターで「平和的に。暴力はなしだ。」と投稿。しかし、事態は収束せず、共和党議員やバイデン次期大統領は、支持者の撤退を呼びかけるよう大統領に求めました。午後4時過ぎ、バイデン次期大統領はテレビ演説で「アメリカの民主主義がかつてない攻撃を受けている。トランプ大統領よ、全国放送に出演して、宣誓と憲法を守り、支持者を撤退させるべきだ。」と語りました。
午後4時半過ぎ、トランプ大統領はツイッターに動画を投稿し、支持者らに撤退を呼びかけましたが、暴動は否定しませんでした。トランプ大統領は動画の中で「不正選挙だったが、抗議が平和的でなければ敵の思うつぼだ。帰宅してくれ。君たちを特別に思っている。」と語りました。この動画はツイッターから削除され、トランプ大統領のアカウントは、凍結されました。その後、フェイスブックは 傘下のインスタグラムも含め、トランプ大統領のアカウントを停止しました。
ワシントンDCでは、6日午後6時から7日午前6時までの夜間外出禁止令を発令。州兵が動員され、他州からの警察も対応に加わり、侵入した支持者らは議事堂内から排除されました。また、議事堂近くの共和党、民主党それぞれの全国委員会本部でパイプ爆弾が見つかりましたが、爆弾処理班が処理したということです。この暴動で3人が発作などで死亡、トランプ支持者の女性1人が警察官に銃で撃たれて死亡し、少なくとも4人の死亡が確認されています。
6日午後8時頃、議員らは議会に戻り、大統領選の結果を確定する会議を再開させ、翌7日午前4時前、バイデン次期大統領の選挙での勝利が正式に確定しました。トランプ支持者らが、いとも簡単に議事堂内に侵入できてしまったことに、議事堂周辺の警備体制が非難されています。下院守衛官と議会警察のトップはすでに辞任を表明していて、今後の捜査でさらなる責任の追求が行われると見られます。また、州兵軍が出遅れたことについては、トランプ大統領がすぐに出動を許可しなかったと伝えられていて、去年行われたブラック・ライフズ・マターのデモとの対応の差が問題視されています。