アメリカでは感染者数の増加だけでなく、感染による入院患者数や死亡者数も増加しています。
10日月曜日、全米での1日の新規感染者数は140万6000人以上で過去最多となりました。7日金曜日、ニューヨーク州では1日の新規感染者数が9万人を超えて過去最多となりましたが、その後、減少傾向になります。ニューヨーク州のキャシー・ホークル知事は「感染者数や陽性率が落ち着いてきました。今も感染拡大は続いていますがかすかな希望が見えてきました。」と語りました。ブラウン大学公衆衛生学部のアシシュ・ジャー学部長は「感染者数の増加は数週間続くとみています。地域によってピークは異なりますが、2月頃、感染者数は大幅に減少するとみています。」と語りました。
感染による入院患者数は、およそ15万6000人で、過去最多となっています。ニューハンプシャー州にあるダートマス・ヒッチコック医療センターの医師は「今の感染者急増で重症患者数は過去最多です。最悪の状況が続いています。」と語りました。ニュージャージー州では、人工呼吸器が必要な重症患者数が先月25日から2倍に増加し、感染拡大が深刻だった2020年5月の水準にまで悪化しています。ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事は「州全域に広がったオミクロン株との戦いの真っただ中にいます。」と語りました。感染による1日の死亡者数も増加しており、1700人以上となっています。
感染者数の増加に加え、全米で4軒に1軒の病院が、深刻な医療従事者不足に直面しています。8日土曜日、カリフォルニア州衛生局は、人手不足を解消するため、医療従事者が感染し 無症状の場合は、隔離や再検査で陰性が確認されなくてもすぐに職場に戻れるとしました。この措置は、来月1日まで続けるとしています。しかし、カリフォルニア州の看護師協会は、これを危険な判断だとして反発しています。看護師協会は「私たちが感染していたら、患者をさらに病気にしてしまいます。」と語りました。
全米でオミクロン株の感染が爆発的に拡大していることから、感染予防効果の高いマスクの着用が呼びかけられています。マスクの予防効果についての研究によると、同じ部屋の中で、感染者とそうでない人がそれぞれ布製マスクを着用していた場合、ウイルスがうつるまでの時間は約30分、それぞれが不織布マスクを着用していた場合は約1時間、それぞれがN95マスクを着用していた場合は25時間だったということです。スタンフォード大学ルシル・パッカード小児病院の医師は「予防効果の高いマスクはよく顔にフィットします。飛沫を抑え、フィルターも機能も高いうえ、帯電フィルターがウイルスを防ぎます。」と語りました。
13日木曜日、連邦最高裁判所は、バイデン政権が従業員100人以上の企業に対し、ワクチン接種または週1回の検査を義務化した措置の差し止めを命じました。一方、医療従事者へのワクチン義務化に関しては容認しました。