連邦議会議事堂襲撃事件で支持者を扇動したとして弾劾訴追されたトランプ前大統領の弾劾裁判が、議会上院で予定されています。
20日水曜日、議会上院では、ハリス副大統領が初めて上院議長を務め、民主党議員3人の就任手続きをとり行いました。ハリス副大統領「ジョージア州2議員と、カマラ・ハリス全議員の辞職で空席となっていたカリフォルニア州上院の承認を行います。」
今月5日に行われたジョージア州の決選投票で勝利した2人とハリス氏の副大統領就任に伴い、空席になったことによるカリフォルニア州の後任議員が就任し、これで、民主党は上院定数の半分にあたる50議席を確保。ハリス副大統領が上院議長として決定票を握るため、実質、民主党が上院を支配することになります。
上院では、 今月6日、暴徒化したトランプ前大統領の支持者らが議事堂を襲撃した事件で、トランプ大統領が扇動したとして弾劾裁判が予定されています。上院の3分の2以上の票を得れば、トランプ氏の有罪が確定します。その場合は、17人の共和党議員の賛成票が必要です。
19日火曜日、共和党上院のトップ、マコネル院内総務は、トランプ前大統領と襲撃事件を関連付ける発言をしました。マコネル院内総務「暴徒らは嘘を吹きこまれ、大統領や他の有力者にけしかけられた。」
有罪となれば、今後大統領選などに出馬する権利を失いますが、就任式を欠席したトランプ氏は、20日水曜日の退任式典で「さよなら、ありがとう、何らかの形で戻ってくる 。」と発言しています。
上院では民主共和両党の議席数が同数だったことを受け、弾劾裁判など今後の議会運営をスムーズに進めていくため、2年後の選挙まで両党の権限を均等に分けるなど「パワーシェアリング」と呼ばれる方法で概ね合意しており、詰めの協議が行われています。ハリス副大統領の1票に頼らず、共和党からの協力を得ながら政権運営を進めていきたいバイデン政権の手腕が問われています。