カナダで、新型コロナウイルスによる規制に対する抗議デモが続いています。アメリカとの国境の橋がデモ隊に封鎖され、供給網や経済への影響が懸念されています。
カナダの首都オタワでは、約2週間にわたり、ワクチン義務化に抗議するトラック運転手らによるデモが続いています。抗議デモは、カナダの他の地域でも行われ、アメリカとの国境にも拡大。7日月曜日、デモに参加したトラックが、自動車産業が盛んなミシガン州デトロイトとカナダ・オンタリオ州ウィンザーを繋ぐアンバサダーブリッジの通行を遮断しました。12時間以上、車内で通行を待つ運転手もいます。「待ちくたびれました。早く家に帰って家族に会いたいです。」
10日木曜日の段階で、通行は遮断されたままで、車は2時間離れた別の橋に迂回するように促されています。アンバサダーブリッジは、アメリカとカナダの貿易の4分の1を担っており、1日に8000台のトラックが往来し、3億2300万ドルの商品が輸送されているということです。特に自動車産業には欠かせない橋で、通常なら、毎日1億ドル分の自動車部品がこの橋を行き来しています。IHSマークイットの自動車アナリストは「橋の封鎖が数日続けば、供給網への影響が出始めるでしょう。」と語りました。
9日水曜日、GMゼネラル・モーターズは、部品不足からミシガン州の工場稼働率を下げると発表。フォード・モーターとトヨタ・モーターは、カナダの工場を休止すると発表しました。
フリーダム・コンボイと呼ばれるこの抗議活動は、アメリカとの国境を行き来するトラック運転手へのワクチン義務化に対する抗議から始まり、現在は、新型コロナウイルスに関する全ての規制を撤廃するよう求めています。400台以上のトラックが今もオタワ市に停車し、車列を組んでいて、収束のめどはたっていません。
自動車産業団体は、抗議デモによる輸送の遅延でコロナで混乱した供給網をさらに悪化させ、1日に5000万ドルの損失が出る可能性があるとして警告しています。