ジョージ・フロイドさんの事件があったミネソタ州ミネアポリスで、また警察による過剰な取り締まりとみられる死亡事件が起きました。今度は、警察による踏み込み捜査で捜査対象ではない22歳の黒人男性が射殺され、ノー・ノック・ワラント(No-Knock Warrant)と呼ばれる襲撃タイプの取り締まりに抗議する大規模なデモが行われました。
事件が起きたミネアポリスでは先週末、1000人以上が集まり、警察の捜査に抗議するデモが行われました。ことの発端は、先週水曜日の朝7時、殺人事件の捜査で容疑者の自宅に踏み込んだ警察が、ソファーで寝ていたアミール・ロックさん22歳を射殺した事件です。
警察は、ノー・ノック・ワラント(No-Knock-Warrant)と呼ばれるドアをノックをせずに突然踏み込む家宅捜索を行いました。アパートの鍵を静かに開け、突入する様子が警官のボディーカメラに映し出されています。警察は毛布をかぶって寝ていたロックさんに向かい、突入から 9秒後に発砲しました。警察は、ロックさんが拳銃の銃口を警官に向けたため撃ったとしています。警察の突入に驚いたロックさんが拳銃を手に持っている姿が映像には写っていますが、銃口は横を向き、引き金に指はかかっていません。
その後の調査で、ロックさんは捜査対象ではなく、容疑者とみられた17歳のいとこの部屋に泊まっていたことが明らかになっています。その後、いとこは逮捕されました。警察は突入から10秒足らずで発砲していることから、ロックさんが状況を把握する前に射殺された可能性があると見て捜査が行われており、発砲した警察官は休職となっています。
ノー・ノック・ワラント(No-Knock Warrant)は犯人による証拠隠滅、 または、警察官の命に危険が及ぶ可能性がある場合のみ発行されるということです。 しかし、捜査と関係のない人が被害にあう事件が相次ぎ、撤廃を求める声が以前から高まっていました。 それにも関わらず起きてしまった今回の事件を受け、ミネアポリス市長はノー・ノック・ワラント(No-Knock Warrant)発行の一時停止を命じたということです。