ニューヨーク州では、州政府が老人ホームでの感染による死亡者数を少なく報告していたとして、批判の声が高まっています。
州保健当局は、去年の3~8月に施設内で亡くなった入居者を8500人と報告していましたが、これには施設から病院に移り亡くなった入居者6500人が含まれていませんでした。州司法長官による調査報告で指摘され、その後、死亡者数は1万5000人に修正されました。州全体の死亡者数は、変わらないということです。
クオモ知事の側近は、トランプ政権下で連邦政府の批判から州政府を守るために 死亡者数の公表を凍結したことを認める発言をしており、州議会議員から隠ぺいとの批判が出ています。15日月曜日、クオモ知事は会見で、混乱の最中で情報開示に遅れが出たためとして、意図的な情報操作ではないとしながらも情報に誤りがあったことを認めました。クオモ知事「報告しなかったことで疑念を生み、施設入居者の家族を不安にさせました。当時はみんなが奮闘している状態でした。」
ニューヨーク州で感染が拡大していた去年3月、当時ひっ迫していた病院の病床を確保するため、老人ホームなどの高齢者施設に対し、新型コロナウイルス感染を理由に入居を拒否することを禁止しました。その後5月には撤回しましたが、この間、施設内での感染が拡大し、多くの高齢者が犠牲になった可能性があるとして批判されていました。このため、知事がさらなる批判をかわすために情報を隠蔽ぺいしたのではないかとの疑惑が浮上したわけです。パンデミック中のリーダーシップを世界的に絶賛されたクオモ知事ですが、これについては身内の民主党州議会議員からも批判が高まっており、FBI連邦捜査局も捜査に乗り出しています。