先週、記録的な寒波に見舞われたテキサス州では復旧作業が進む中、大規模な計画停電が起きた、原因とその責任の所在が問われています。
寒さの影響で各地で水道管が破裂するなどの被害が発生し、住民も協力しながら、復旧作業が進められています。テキサス州マーリンのシティマネージャーは「8人のボランティアをお願いしたのですが、20人集まりました。」各家庭でのパイプの損傷も多く、配管工事を請け負う業者に依頼が殺到しています。「すでに200軒の修理が予定されています。他に問い合わせが800軒あります。」
先週襲った寒波の影響で、全米で21日日曜日までに70人以上が死亡、テキサス州のハリス郡だけで、少なくとも10人が低体温症で死亡しました。停電で暖房が付けられない家の中で寝ていた11歳の少年が、ベッドで死亡していたのを家族が発見しました。
一時は、400万以上の世帯が対象となった先週の計画停電ですが、テキサスでは、2011年にも寒波の影響で大規模な計画停電があったことから、連邦規制当局は、テキサス州全体の9割の電力を運営する機関「アーコット」に対し、機器の凍結防止対策を行うよう勧告していました。その対策を怠ったていたとして、アーコットへの批判が高まっています。19日金曜日の会見でアボット知事は「寒波襲来の5日前、アーコットは寒波に備ていると言いました。州議会に調査を命じました。」と語りました。住民らは23日火曜日、寒波の警報があったにも関わらず、対策ができていなかったとし、アーコットに対して集団訴訟を起しました。24日水曜日には、州外に住む5人のアーコット役員が辞任しています。
一方、停電にならなかった家庭では、電気代の高騰に直面しています。テキサス州では、電力価格の変動プランを認めていて、需要が低い時間帯は価格が下がり、需要が高くなると価格が上昇します。先週の寒さで電力需要が高まり、電気代は通常の50倍以上にも跳ね上がりました。ある家庭では、冷蔵庫の中に雪を入れコンセントを抜くなど、暖房以外の電源は全て切っていたにも関わらず、4日間の電気代として621ドル請求されました。州政府はこうした膨大な電気代の被害を受けた住民に対する支援策を講じるとして、住民には請求されても払わないよう呼びかけています。
24日水曜日、アボット知事は「すでに電気代の高騰について電力供給側への調査を進めています。州議会が対策案を講じるまでは、未払いでも電気の供給を続けるよう命じました。」と住民に向けて語りました。また、アボット知事は、2度とこのような事態が起きないよう、全ての電力設備関連機関に対し、防寒対策を義務化すると発表しています。25日木曜日から、州議会による発電会社とアーコットへの再発を防ぐための調査が始まりました。