去年、ミネソタ州で警察官に拘束された黒人男性が死亡した事件で、殺人の罪に問われている元警察官の公判が今週から始まりました。
去年5月、ミネソタ州ミネアポリス近郊で、ジョージ・フロイドさんが およそ9分間にわたり警察官に 首を膝でおさえられ、その後死亡した事件を受けて、全米各地で大規模な抗議デモが行われました。9日火曜日、この事件で殺人の罪などに問われている元警察官のデレク・ショービン被告に対する公判が始まり、12人の陪審員を選ぶ手続きが進められています。意見に偏りがない候補者を選ぶため、1人1人に 質問が 投げかけ られます。 陪審員候補の1人は「ブラック・ライブズ・マター団体は好ましく思いませんが、運動は支持します。」と答えました。ショービン被告は第2級殺人、第2級過失致死について無罪を主張しています。被告は、第2級殺人で起訴されていますが、 裁判開始直前、検察は第2級よりも軽い 第3級殺人の罪状追加を主張しました。11日木曜日、判事は 第3級殺人罪の 罪状への追加を認めました。裁判の審理は29日に始まる予定です。
アメリカの現在の法律で、職務中の警察官の行動を有罪に持ち込むのは、非常に難しいとされています。さらに、ミネソタ州ではこれまで白人警官が黒人を殺害した罪で有罪評決を受けたことはなく、より軽い罪状を加えることで、有罪へのハードルを下げることが検察側の狙いだということです。