全米で7800万人以上がワクチン接種を完了する中、15日木曜日、CDC疾病対策センターは、これまで接種完了後に感染した人は5800人で全体の0.008%と発表し、まだ受けていない人にワクチン接種を呼びかけました。一方でうち、74人が死亡しており、ワクチン接種後も引き続き感染防止対策を続けるよう呼びかけています。
そうした中、全米でJ&Jのワクチン接種が一時中止され、ワクチン接種に影響を及ぼしています。13日火曜日、FDA食品医薬品局は、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン接種後に血栓が生じる事例がごくわずか報告されたとして、接種を一時停止するよう要請しました。血栓症を発症したのは18歳から48歳の女性6人で、接種を受けてから6日~13日後に、まれな血栓症である脳静脈洞 血栓症を発症しました。一人が死亡、一人が重体だということです。 ワクチンの接種と関連があるかどうかはまだ分かっていません。
国立アレルギー・感染症研究所のファウチ所長は「極めてまれな事例です。685万回の接種のうち、6件です。100万分の1の割合です。」と語りました。人が雷に撃たれる確率は、50万分の1で、発症の確率は極めて低いものであることが分かります。
しかし、FDA食品医薬品は、過去3週間にジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン接種を受けた人に対し、ひどい頭痛、息切れ、腹部または脚の痛み などといった症状に注意を呼び掛けています。また、血栓の治療が必要な場合、合併症を引き起こす可能性があるとして、血液抗凝固剤であるヘパリンの使用を避けるよう医師らに忠告しています。保健当局によると、このまれな免疫反応は、ウイルス ベクターワクチンと呼ばれるワクチンに見られ、ジョンソン・エンド・ジョンソンとアストラゼネカのワクチンがこれに当たります。ファイザーとモデルナは、異なる科学技術を用いたワクチンです。
13日火曜日に、連邦政府はジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン接種を一時停止、全米50州で同様の措置がとられました。しかし、これに疑問を呈する知事も多くいます。ニューハンプシャー州のスヌヌ知事は「接種を一時停止した後に、信頼を取り戻すのは100倍難しいことです。」と語りました。接種会場では、ワクチン接種の予約日程を変更するなどの対応におわれています。バイデン大統領は、ファイザーとモデルナのワクチンでも、十分にワクチンを供給できるとしています。
14日水曜日、CDC疾病対策センターは、ワクチン接種の一時停止について、専門家委員会による協議を行いました。専門家委員会は、判断には時間と情報が必要だとして、接種の一時停止を 継続するとしました。今後1週間から10日は、一時停止が継続されるだろうとメディアは伝えています。全米7000カ所、全体の4分の1の接種会場で、ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチンだけを扱っていて、その影響が出ています。
専門家は、このような事態は緊急使用許可で使用されている薬品にはよくあることだとする一方で、問題は、ワクチンに対して不信感を抱く国民の感情を煽ってしまい、ワクチンを拒否する人が増える可能性があることだとしています。