黒人男性のジョージ・フロイドさんが死亡した事件の裁判で、元警察官に有罪評決が出されました。
去年5月、ミネソタ州ミネアポリス近郊でジョージ・フロイドさんの首を膝で押さえつけ死亡させた罪に問われていた元警察官のデレク・ショービン被告について、20日火曜日、陪審は有罪の評決を出しました。 フロイドさんの家族の他、全米各地で喜びの歓声が上がり、翌21日水曜日の新聞各紙は1面でこのニュースを大きく取り上げました。
ショービン被告は、故意ではない殺人の第2級殺人など3つの罪に問われていましたが、全ての罪で有罪となりました。陪審からは質問もなく、わずか10時間半の審議で評決が出されました。量刑はおよそ2カ月後に言い渡される見通しで、最大40年の禁固刑が科せられる可能性があります。被告は上訴すると見られています。
21日水曜日、メリック・ガーランド司法長官はミネアポリス警察に対し、違憲または違法な活動や慣行があるか捜査を行うと発表し「ミネアポリス警察の方針、訓練、管理、権力の行使など全般的に捜査します」と語りました。バイデン大統領は連邦議会に対し、抜本的な警察改革の法案可決を求めています。
ミネソタ州で白人警察官が殺人罪で有罪になったのは初めてです。 ある調査では2005年からの16年間、警察官が銃で人を死亡させた案件で、警官に有罪が言い渡されたのはたった7件でその確率は2000件に1件だということです。アメリカでは毎年およそ1000人が警察官による銃撃で死亡しています。一方、職務中に銃撃で死亡する警察官は1年におよそ50人と報告されています。