就任からおよそ100日となる28日水曜日、バイデン大統領が、就任後初めて議会で施政方針演説を行いました。
通常1600人が招待されるところをコロナ対策でこの日の出席者は200人のみ、マスク着用の中、施政方針演説が行われました。パンデミックや経済危機の中で引き継いだ政権ですが、バイデン大統領は「今世紀最悪のパンデミック、大恐慌以来の経済危機、南北戦争以来の民主主義の攻撃がありました。アメリカは再び動き出しました。」と語り、ワクチン接種や経済対策など100日間の成果をアピールしました。
演説では移民政策や銃規制問題に加え、特に中間層を重視した経済政策が強調されました。バイデン大統領は中間層の雇用の機会を生み出すとし、2兆3000億ドルのインフラ投資計画の法案成立を議会に訴えました。「アメリカを再建するための建築業や製造業の計画です。」
それに加えて、バイデン大統領はアメリカの将来への投資として、子育て世帯などを支援する1兆8000億ドルの予算計画を提案しました。これには、幼稚園の義務教育化、短期大学の無償化、低所得者層への育児支援、12週間の有給家族休暇などが含まれます。「21世紀に世界と競うには、義務教育が12年間では不十分です。」
バイデン大統領は、合計4兆ドルを超える予算計画の財源として富裕層への増税をあげ、共和党との協議に前向きな姿勢を示しましたが、共和党は大規模な予算計画に批判的です。共和党のティム・スコット上院議員は「リベラル派が望む大きな政府の無駄遣いです。増税により失業者が増えます。」と語りました。
アメリカ史上、初めて女性2人が大統領の後ろに立った施政方針演説。分断されたアメリカに歩み寄りを求めたバイデン大統領の呼びかけが、今後どこまで届くのかが注目されるところです。