児童ら21人が死亡したテキサス州ユバルディの小学校銃乱射事件から2週間以上が過ぎました。ABCニュースが、テキサス州オースティン近郊で行われた銃の展示会で銃の購入年齢に関して取材しました。
テキサス州で、合法的にライフル銃を購入できる年齢は18歳です。ユバルディの小学校銃乱射事件では、容疑者が18歳になった翌日に半自動式ライフル銃を購入し、その1週間後、犯行に及びました。銃の展示会では、小学校の銃乱射事件で使われたAR15型のライフル銃も展示されていました。この会場では、AR15型のライフル銃が多くの猟銃よりも安く販売されており、この日は、100ドル値引きされていました。
ABCニュース記者「18歳の客はどれぐらいいますか?」
銃の販売者「客の20%ぐらいです。」
銃の販売者「18歳でたくさんの銃を購入しました。21歳になる前でしたが私の権利です。 」
18歳の客が銃を購入することについて聞きました。
ABCニュース記者「18歳が銃を購入したいと来た場合、AR型を勧めますか?」
銃の販売者「狩猟のためにだけに勧めます。軽量で初心者に向いています。」
ユバルディの小学校銃乱射事件や他の銃乱射事件を受け、アメリカでは、半自動式ライフル銃を購入できる年齢を18歳から21歳に引き上げる議論がおきています。30年に渡り、この銃展示会を行ってきた主催者は、購入できる年齢の引き上げに異論はないといいます。
ABCニュース記者「購入できる年齢を18歳から21歳に引き上げることに賛成ですか?」
銃展示会の主催者オーブリー・サンダースさん「賛成です。拳銃は21歳にならないと買えないし、酒も21歳からです。大人としての責任を持てる18歳はほとんどいません。」
ユバルディの小学校銃乱射事件の他にも、これまでにAR15型のライフル銃が銃乱射事件に使われてきました。コネティカット州サンディーフック小学校の銃乱射事件では児童20人と教職員6人が死亡。フロリダ州パークランドの高校で起きた銃乱射事件では生徒14人と教職員3人が死亡。ニューヨーク州バファローのスーパーマーケットで起きた銃乱射事件では10人が死亡しました。この事件で使われたAR15型のライフル銃は、被告が18歳になって購入したものでした。アメリカでは43州で18歳以上であればライフル銃を合法的に購入できます。議会上院では、購入できる年齢を21歳に引き上げる議論は進んでいません。
ユバルディの小学校銃乱射事件で負傷した児童を治療した医師らは、惨状を目の当たりにし、購入できる年齢の引き上げが進まない現状に疑問を呈しています。
テキサス大学ヘルス サンアントニオ ロナルド・スチュワート医師「至近距離で小さい体を撃たれたのです。信じがたいほどの破壊力です。」
現行法では拳銃は21歳まで買えないのに、ライフル銃は18歳から購入できます。テキサス州の歴史家によると、19世紀に暴力事件が増加したとき、拳銃や短刀を規制する制度が設けられましたが、当時はライフル銃やショットガンは軍や狩猟に使われるもので、一般への危害はないとして除外されたということです。子供達の安全を守るためには、時代に合った法改正が必要なのではないでしょうか。